ヒアルロン酸は目の下の悩みに効く?効果や施術のリスク・副作用を紹介

ヒアルロン酸注射は、シワやたるみの改善を目指して、高い保水力を持つ成分であるヒアルロン酸を真皮に直接注入する美容施術です。
目の下にくぼみやたるみがあると実年齢よりも老けて見えることがありますが、ヒアルロン酸注射によって印象の改善が期待できます。
この記事では、ヒアルロン酸注射が効果を発揮する目の下の悩みや、ヒアルロン酸以外の方法・ヒアルロン酸と併用する方法、目の下に施術するリスクや副作用を紹介します。
目の下はデリケートな部分のため、切開をするには抵抗がある人も多いでしょう。ダメージの少ないヒアルロン酸注射でできる改善策を確認してみましょう。
ヒアルロン酸注射が効く目の下の悩み5つ

ヒアルロン酸注射の施術で効果が期待できる目の下の悩みには、たるみやくぼみ、クマやシワがあります。
具体的には、以下のようなことで悩んでいる人に向いています。
- 目元のハリを取り戻したい
- 目元のシワを薄くしたい
- 目の下のくぼみが気になる
- 目袋が目立つ
- 切開する治療は怖い
- 目元の治療は初めて
- しっかり寝てもクマが消えない
- メイクでクマが隠せない
- 「疲れている?」「寝不足?」と言われる
- 写真撮影やイベントのために一時的に改善したい
- 涙袋が欲しい
ヒアルロン酸注射は即効性があり結果が比較的早く実感できるため、これらの悩みを持つ人に選ばれています。
以下から、目の下のたるみやくぼみ・クマやシワについて、悩みやヒアルロン酸注射でできる治療を紹介します。
目の下の悩み │ たるみ

目の下の悩みの中でも、たるみは疲れた印象や実年齢よりも老けた印象を与えます。
ここでは、目の下のたるみについて、原因や治療のポイントを紹介します。
目の下のたるみの原因
目の下のたるみの原因は、加齢による以下のような変化にあります。
- 骨の萎縮
- 目元の筋肉の変化
- 皮下脂肪の増量や移動
- 皮膚のハリや弾力の低下
顔の骨は、筋肉や脂肪など皮膚を支えるための役割を果たす土台ですが、加齢に伴い骨密度が低下し萎縮していきます。
骨が縮むと、眼球が入っている眼窩(がんか)と呼ばれるくぼみは広くなり、それまで支えてきた目周りの皮膚や脂肪が垂れ下がります。
そして、加齢や紫外線ダメージの蓄積によって、美肌成分のコラーゲンやエラスチン・ヒアルロン酸が減少するのも原因の一つです。
これらが重なることが、目の下がたるむ原因です。
目の下のたるみにヒアルロン酸注射
目の下のたるみには、ヒアルロン酸注射を打つことで効果が期待できる場合があります。
目の下のたるみについては、マッサージやツボ押し、目周りの筋肉トレーニングや美容液など、さまざまな改善策を聞きますが、どれも即効性は期待できません。
ヒアルロン酸注射であれば、気になる部位へ直接注入するため、即効性が期待できます。
目の下がたるむと膨らんで見えるため、軽度の場合は膨らみの下の部分に柔らかいタイプのヒアルロン酸を注入し、差が滑らかになるようにします。
膨らみが少し目立っている場合はたるみだけでなく脂肪の突出もあるため、目袋の下に柔らかめのヒアルロン酸を注入し、硬めのヒアルロン酸で頬の高さを出して目立たなくします。
目の下の悩み │ くぼみ

目の下のくぼみは老けて見えるだけでなく、見る人に暗い印象を与えます。小ジワやクマを改善するためにアイケアをされている人も多いですが、くぼみは意外と盲点です。
ここでは、目の下のくぼみについて、原因や治療のポイントを紹介します。
目の下のくぼみの原因
目のくぼみに大きく関係している組織として、眼球が収まっているくぼみ(眼窩)の中の脂肪である『眼窩脂肪』と、目の周りを囲む筋肉である『眼輪筋』があります。
この2つが衰えたり減ったりすると、目の上にくぼみができます。
原因は加齢で、他にも年齢とともにコラーゲンのような肌の成分の減少も重なります。
また、もともと眼窩脂肪が少ない若い人や、パソコンやスマートフォンの使用が多い人、眼瞼下垂の人なども目のくぼみが目立つことがあります。
目の下のくぼみにヒアルロン酸注射
目の下のくぼみに関しては加齢によるところもあるため、ある程度は仕方ないですが、眼輪筋の衰えを改善できれば、セルフケアでも全く効果がないわけではありません。
目を細めたりウインクしたり、まばたきなどで鍛えられますが、なかなか成果が得られない場合はヒアルロン酸注射を検討してみましょう。
目の下のくぼみ部分に3〜4回に分けて細かくヒアルロン酸を注入します。使用するヒアルロン酸は柔らかいタイプです。
目の下のたるみとくぼみをつなぐ線を滑らかにするイメージで注入します。
目の下のくぼみ部分は皮膚が薄く、浅い層に注入すると重みで皮膚が伸びてしまうケースがあるため、注入する場所を検討する必要があります。
目の下の悩み │ クマ

目の下にできるクマには4種類ほどありますが、ヒアルロン酸注射で改善できる種類があります。
ここでは、目の下のクマについて、原因や治療のポイントを紹介します。
目の下のクマの原因
目の下のクマには、赤クマ・茶クマ・青クマ・黒クマがあります。
そのうち、ヒアルロン酸注射で改善が期待できるのは、青クマと黒クマです。
青クマは、目元周りの薄い皮膚から血管が透けて青黒く見えるのが特徴で、血行不良や睡眠不足、人より目元の皮膚が薄い、眼輪筋の色などが影響しているといわれています。
黒クマは、加齢による皮膚や脂肪のたるみ、骨の萎縮によって膨らんだ目袋の影が黒く見えることが原因です。
実際に皮膚の色が青かったり黒ずんでいたりするわけではないため、原因を改善することでクマも改善に向かいます。
目の下のクマにヒアルロン酸注射
青クマと黒クマでは改善のためのアプローチに違いがあります。
青クマは、目の下にくぼみがあるせいで光が反射しづらくなり、血行不良のような理由で青く見えるところが余計に濃く見えるといわれています。
この場合は、目の下のくぼみをヒアルロン酸注射で補って、光の反射を改善します。
黒クマの場合、目の下のたるみや膨らみが目立たなくなるよう、段差をなだらかにするためのヒアルロン酸注射を行います。
目の下の悩み │ シワ

目の横の三本ジワは幸せそうに見えますが、目の下にあるシワは老けて見える他に疲れていそう・不健康そうなどネガティブにみられがちです。
ここでは、目の下のシワについて、原因や治療のポイントを紹介します。
目の下のシワの原因
目の下のシワの原因には、さまざまな原因があります。
- 加齢によるシワ
- 紫外線のダメージによる大ジワ
- 乾燥による小ジワ(ちりめんジワ)
- 表情ジワ
- たるみジワ
特に下まぶたは1mmに満たないほど皮膚が薄く乾燥を招きやすいため、シワの生じやすい場所ともいえます。
目の下のシワにヒアルロン酸注射
目の下のシワに対する、予防や一時的な改善としては、スキンケアやマッサージ・メイクで隠すなどが多少の効果があります。
目の下のシワに分類される以下のシワは、加齢による肌内部からの変化として表面化します。
- 目尻のしわ
- 目の下のたるみ
- ゴルゴライン
セルフケアでは内部へのアプローチに限界があるため、美容医療が有効です。
シワに対するヒアルロン酸注射は、シワの溝に直接ヒアルロン酸を注入します。シワの改善の他に、肌の保水性やハリ・弾力も高まるため、一石二鳥です。
目の下の悩み │ 涙袋

涙袋は目の下の小さな膨らみのことで、笑顔を魅力的に見せる効果があります。
また、涙袋は加齢によって盛り上がりが減ったりシワができたり、たるみとの境目が曖昧になるなどの変化があります。
ここでは、涙袋について、魅力をプラスするヒントと形成について紹介します。
涙袋が欲しい理由
涙袋はプチ整形として若い人に人気のヒアルロン酸注射による施術です。
以下のようなメリットがあります。
- 目が大きく見える
- 潤んだ目に見える
- 色気が増す
- 若々しい印象になる
- 顔が立体的になる
- 小顔効果がある
涙袋はメイクで作ることもできますが、毎日では手間もかかり、色素沈着の心配や将来の目のたるみの原因にもなりかねません。
逆に、もともと涙袋を持っていた人が年齢を重ねると、加齢によってたるんでくる、シワができたなど、涙袋に対して若い頃とは感じ方が変わってくる人もいます。
涙袋にヒアルロン酸注射
涙袋を形成する場合は、柔らかめのヒアルロン酸がおすすめです。即効性があるため、施術後すぐに涙袋を実感できます。
また、両目に0.2cc程度ずつが目安で、残ったヒアルロン酸は唇や気になるシワに注入することも可能です。
目の下の悩みに効くヒアルロン酸注射以外の治療法

目の下の悩みに効く、ヒアルロン酸注射以外の治療法を紹介します。
ヒアルロン酸注射と併用する方法も紹介するため、参考にしてください。
ハムラ法
ハムラ法は、自己の脂肪を移動させて目の下のたるみやクマを解消する美容整形手術で、正式には『眼窩脂肪移動術』といいます。
眼窩脂肪を切除せず、目の下のくぼみに移動させるため、膨らみと凹みが同時に改善するメリットがあります。
ハムラ法は繊細な技術を必要とする手術方法で、術後の傷跡も目立たなくなります。
半永久的な効果を望まれている人におすすめです。
ボトックスとの併用
ボトックスはボツリヌストキシン製剤を目の下の筋肉に注入する治療で、シワやたるみを軽減する美容施術です。
筋肉の動きを抑える作用があるため、表情ジワの軽減や吊り目を和らげる、目の開きを改善するなどが可能です。
ヒアルロン酸注射とはアプローチが違いますが、ボトックスとヒアルロン酸を併用すると相乗効果が得られたり、効果が持続しやすくなります。
脂肪注入
脂肪注入は黒クマがあってなおかつ凹んでしまっている人に向いている治療で、自身の脂肪を目の下に注入してクマを改善します。
ヒアルロン酸注射と比べた場合、脂肪が定着することで長期持続が可能で幹細胞による美肌効果も期待できますが、ダウンタイムやコスト面で負担がかかります。
凹み軽度の場合や手術に抵抗がある場合は、ヒアルロン酸注射の方がおすすめです。
目の下のヒアルロン酸注入のリスクと副作用

目の下のヒアルロン酸注入のリスクと副作用を紹介します。
目の下のヒアルロン酸注射のダウンタイム
膨らみすぎや凹凸のリスクがある
目の下は皮膚が薄いため頬や他の部位とは異なり、ヒアルロン酸を浅く注入すると膨らみが分かりやすく目視できてしまいます。
そのため注入した部位に段差が出てしまうため、凹凸の原因となります。
そのような症状を避けるためには、目の下の注入ではなるべく深い層に注入した方がよいでしょう。
チンダル現象
チンダル現象とは、注入されたヒアルロン酸に光が反射することで、青く透けてみえてしまう現象です。
目の下は特に皮膚が薄く光を透過しやすいため、チンダル現象が起こりやすくなっています。
浅い層に注入しているとこの現象がみられやすいため、深い層に注入するのがおすすめです。
この現象が目立つ場合は、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸溶解剤)を使用してヒアルロン酸を溶かす対処が可能です。
血流障害
注入したヒアルロン酸が何らかの理由で血管内に入り込んでしまうと、血栓となって血流障害を起こす場合があります。
目の下には重要な血管がいくつかあり、ここで詰まってしまうと眼球の機能が低下し、失明する可能性があります。
ヒアルロン酸注射でみられる副作用の中でもまれな症状ですが、速やかな対応が必要です。
内出血
内出血はヒアルロン酸注射の副作用としては珍しい症状ではありませんが、目の下は皮膚が薄いため目立ちやすくなります。
特に治療は必要なく、時間が経てば治る症状ですが、その間はメイクで隠したり、血行が良くなるようなことは控えるなど、適切に過ごすことが大切です。
まとめ
加齢による目の下のシワやたるみは老けて見えたり疲れて見えたりするため、手軽に改善できるならしたいと思っている人は多いでしょう。
特に部位がデリケートな目の下となると、切開や手術が怖い人にはヒアルロン酸注射くらいの手軽さがないと挑戦は難しくなります。
静岡県富士見市のみずき皮膚科クリニックでは、東京で経験を積み重ねてきた女性の皮膚科専門医が、院長を務めております。
目の下の注入治療を行う際に不安がないよう、分かりやすい説明で丁寧にお手伝いいたします。
みずき皮膚科クリニックスタッフ一同、ご相談をお待ちしております。