たるみ毛穴とは?原因とセルフケア、治療法も解説

頬に手を当てている女性

加齢とともに目立ち始める「たるみ毛穴」は、多くの女性が抱える肌のお悩みのひとつです。

毛穴が縦長に広がっている状態で、肌全体にハリがないように見える原因でもあり、見た目年齢を左右する可能性があります。

この記事では、たるみ毛穴の基礎知識や原因、セルフケア、美容皮膚科での治療法を解説します。

たるみ毛穴にお悩みの方、治療法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

たるみ毛穴の基礎知識

虫めがねで女性の顔の毛穴を拡大している画像

たるみ毛穴は、皮膚の構造的変化によって引き起こされる、毛穴の開きの一種です。

若い頃は気にならなかった毛穴の形状が年齢とともに変化して、肌全体の印象が変わる要因になります。

ここでは、たるみ毛穴について知っておきたい基礎知識を解説します。

たるみ毛穴とはどういう状態?

真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少し、肌の弾力が失われることで毛穴の周囲の皮膚が下垂し、毛穴が縦に伸びたように見える状態がたるみ毛穴です。

顔の中でも頬の高い位置や鼻の横に多く見られ、光の当たり方により影ができて目立ちやすくなります。

涙型や楕円型に広がって見える毛穴が連なって、「帯状毛穴」と呼ばれることもあります。

洗顔や皮脂ケアだけでは解消しにくいのが特徴です。

開き毛穴・黒ずみ毛穴との違い

毛穴の悩みはいくつか挙げられますが、開き毛穴・黒ずみ毛穴もよく聞くのではないでしょうか。

開き毛穴は、皮脂分泌が多いことにより毛穴が丸く広がる状態で、黒ずみ毛穴は酸化した角栓や汚れが毛穴に詰まって黒く見える現象です。

これらに対して、たるみ毛穴は「毛穴の形状そのものが変化している」点が異なります。

加齢や紫外線などによる肌の支持構造の劣化が原因となるため、ケアのアプローチの仕方も違ってきます。

たるみ毛穴ができやすい部位

たるみ毛穴は、頬の中央から小鼻の横にかけて目立ちやすいとされています。

そもそもこの部位は、皮脂分泌が多く毛穴が大きくなりやすい傾向があります。

また、肌のハリが低下しやすい場所でもあるため、加齢によるたるみ毛穴が出やすい部位として注意と観察が必要です。

たるみ毛穴ができやすい年齢

たるみ毛穴は、一般的に30代半ばから増え始め、40代を過ぎると目立つようになります。

個人差はありますが、年齢とともにコラーゲン生成が減少し、紫外線や乾燥などの外的要因が積み重なることもあり、肌の構造そのものが弱くなるためです。

加齢以外にも、後述するような原因が複雑に絡み合い、症状が進行するケースも見られます。

たるみ毛穴の主な原因

電球

たるみ毛穴は複数の原因が重なって、真皮層へダメージを与えることが発症と進行の要因です。

ここでは、たるみ毛穴の主な原因について、詳しく解説します。

加齢

たるみ毛穴の原因のひとつは、年齢とともに皮膚内部の構造が変化し、肌の弾力やハリを支えるコラーゲンやエラスチンの量が減少することです。

これにより、毛穴の周囲の皮膚が重力に負けて下方に引っ張られ、毛穴が縦長に広がって見えるようになります。

特に40代以降は、コラーゲンやエラスチンのある真皮層の再生力が低下するため、たるみ毛穴が定着しやすくなります。

また、ホルモンバランスの変化により皮脂の分泌量が減少し、乾燥しやすくなることも悪化の原因です。

表情筋の衰え

年齢とともに表情筋が衰えると、皮膚を支える力が弱まり、重力により肌が下垂しやすくなります。

毛穴の周囲の皮膚が引っ張られ、たるみが目立ちやすくなるのです。

在宅ワークで1人の時間が多い方や、普段人と話す機会が少ない方は、表情筋が衰えやすい傾向があるため注意が必要です。

意識的に顔を動かすことや、表情筋トレーニングを取り入れることが、たるみ毛穴の予防につながります。

紫外線ダメージ

紫外線は真皮層にまで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊して肌の弾力を奪います。

長年の蓄積によるこの現象は「光老化」と呼ばれ、たるみ毛穴の発生を加速させる大きな原因です。

環境省によると、皮膚の加齢変化のうち約80%が紫外線による光老化との報告もあり、紫外線対策は不可欠です。

紫外線を慢性的に浴びることで、肌を支える力が低下し、毛穴周辺の皮膚がたるみやすくなります。

(参照:「皮膚科Q&A」日本皮膚科学会)

乾燥

肌が乾燥すると角質層のバリア機能が低下し、外部刺激に弱くなった結果、ハリが失われていきます。

さらに、乾燥により肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れることで角栓が詰まりやすくなり、毛穴の開きが悪化する悪循環になる恐れもあります。

冷暖房の長時間使用や間違ったスキンケアも、肌の乾燥を招く原因です。

肌の内部は乾いているのに皮脂だけ分泌される「インナードライ」にも注意が必要です。

生活習慣

喫煙、睡眠不足、偏った食生活などの生活習慣は、コラーゲン生成を妨げる原因となります。

特に喫煙は血流を悪化させ、肌の栄養供給を阻害するため、肌全体の老化が早まる可能性が高まります。

活性酸素による肌細胞の老化で、肌のハリを支える構造が壊れやすくなる恐れもあるため、注意が必要です。

また、糖質の過剰摂取による糖化現象もコラーゲンの劣化を促し、たるみ毛穴が発生する原因です。

たるみ毛穴の改善方法|セルフケア

笑顔の女性

たるみ毛穴の改善には、日常生活でのケアが重要です。

ここでは、たるみ毛穴を目立ちにくくするためのセルフケアについて、解説します。

スキンケア

たるみ毛穴の対策でスキンケアは特に重要です。

洗顔の際は摩擦で刺激を与えないように、洗顔料を十分に泡立てて、たっぷりの泡で優しく撫でるように洗いましょう。

タオルで拭くときもゴシゴシ擦らず、そっと水分を吸い取るようにします。

洗顔後はなるべく早く保湿を心がけてください。

コラーゲン生成を促す成分に注目して、スキンケアに取り入れましょう。

これらの中でもビタミンC誘導体は、真皮層にある線維芽細胞の働きを活性化させ、毛穴の周囲にハリを与える効果が期待できます。

また、肌のハリを保つためには水分も重要です。

自分の肌に合った成分を、肌質に合わせて見極めることが重要です。

紫外線対策

紫外線は肌のコラーゲンを破壊するため、たるみ毛穴の進行に直結します。

夏の強い日差しだけでなく、曇りの日や室内でも、年間を通じて紫外線対策が必要です。

日焼け止めはSPFの数値で効果の指標が示されていて、数字が大きいほど何も塗らない場合と比較して日焼けしにくいとされています。

日常的に使用するならば、SPF30以上、PA+++以上を選び、汗や皮脂で流れてしまうのを防ぐためにも2〜3時間おきに塗り直しましょう。

さらに、日傘や帽子、UVカット機能のある衣服を組み合わせると、光老化から物理的に肌を守る効果が期待できます。

表情筋トレーニング・マッサージ

表情筋トレーニングやマッサージで顔の筋肉を鍛えると、たるみ毛穴の予防になります。

大きく口を開けてあ〜おまでをゆっくり発音する「あいうえお体操」や、割りばしを咥えて口角を上げる「割りばしトレーニング」などは、顔全体の筋肉を効率的に使う方法としても有効です。

また、血流やリンパの流れを促すフェイスマッサージは、老廃物の排出とむくみの改善にもつながり、肌全体のハリ感向上に役立ちます。

過度な摩擦は逆効果になりかねないため、オイルやクリームを使用して、優しく撫でるように行うのがポイントです。

生活習慣の改善

毎日の食事や睡眠、ストレス管理もたるみ毛穴改善に重要です。

ビタミンC・E・A、タンパク質、亜鉛などの栄養素は、肌の再生やコラーゲン合成をサポートするため、積極的に摂取しましょう。

睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、ターンオーバーの乱れにつながります。

また、過剰な飲酒や喫煙は血流を悪化させ、皮膚細胞への酸素や栄養の供給が妨げられ、肌の弾力が失われやすくなります、

規則正しい生活とバランスの良い食事は、スキンケアと同等にたるみ毛穴に影響を与えるため、改善のためにも意識しましょう。

たるみ毛穴の改善方法|治療法

人差し指を立てている女性医師

セルフケアで改善が難しいたるみ毛穴には、皮膚科や美容皮膚科で受けられる治療も有効です。

ここでは、たるみの根本原因にアプローチすることができる、代表的な治療法について解説します。

ボルニューマ

ボルニューマは、高周波(RF)エネルギーとマイクロニードルを組み合わせた治療で、真皮層に直接熱エネルギーを与えることで、コラーゲンの再構築を促進します。

毛穴の開きや肌のたるみにアプローチしながら、全体的なハリと弾力の向上が期待できる場合があります。

痛みやダウンタイムが少なく、目元などデリケートな部位にも施術可能です。

複数回の施術を行うことで、肌質改善や毛穴縮小に持続的に影響を与えられます。

レーザー治療

フラクショナルレーザーやYAGレーザーなどの高出力レーザーによる治療は、たるみ毛穴に有効な治療です。

熱ダメージにより真皮層でコラーゲンやエラスチンの生成が促され、肌にハリが出ることで毛穴の形が整っていくとされています。

毛穴だけでなく、シワや色素沈着などにもアプローチできる点がメリットです。

ただし、施術後に赤みや腫れなどの症状を伴うダウンタイムがあるため、医師からのアフターケア指導に従い慎重な対応が必要です。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、グリコール酸や乳酸などの薬剤を使って角質を除去し、肌のターンオーバーを促進する治療法です。

グリコール酸は分子が小さく皮膚の奥まで浸透し、乳酸は分子が大きく皮膚の浅い部分に作用します。

表皮の古い角質が取り除かれることで、毛穴周辺の皮膚の滑らかさが回復し、皮膚の厚みと弾力が改善されていきます。

医療機関で行うケミカルピーリングは、濃度や種類が調整できるため、肌質や目的に合わせて適した施術が受けられます。

ダーマペン

ダーマペンは、極細の針で皮膚に微細な穴を開けるマイクロニードリング療法です。

自然治癒力を活用し、コラーゲンやエラスチンの生成を促す効果が期待できます。

たるみ毛穴の原因である真皮層のゆるみを改善し、毛穴の周囲の肌に弾力を取り戻すことが目的です。

ダウンタイムが少なく、赤みや発疹などが生じても、個人差はありますが数日で回復することが多いです。

ヒアルロン酸注入

広がった毛穴の周囲にヒアルロン酸を注入することで、肌のボリュームを補い、毛穴を目立たなくする方法です。

たるみ毛穴が頬の広範囲に連なっている場合、効果が出やすいとされています。

製剤の種類により異なりますが、約半年〜1年の持続期間が一般的です。

ただし、医師の技術によって仕上がりが変わることがあるため、信頼できる医療機関で施術を受けることが重要です。

ジュベルック注入

ジュベルックは、ポリ乳酸(PDLLA)と非架橋ヒアルロン酸を組み合わせた製剤で、近年「コラーゲンブースター」として注目されています。

注入されたPDLLAは時間をかけて体内で分解され、その過程でコラーゲン生成を促進するため、肌の弾力やハリが回復する効果が期待できます。

ヒアルロン酸も合わせて配合されているため、肌の保水力が高まり、質感の変化を実感しやすいのが特徴です。

ジュベルックの持続時間は個人差がありますが、一般的には約12〜16か月ほどとされています。

症状や体質にもよりますが、始めのうちは1か月ごとの注入が必要な場合もあるため、医師とよく相談して治療計画を立てましょう。

フェイスリフト

重度のたるみ毛穴に対しては、外科的なフェイスリフト手術も選択肢となります。

皮膚とSMAS層を物理的に引き上げることで、毛穴の広がりそのものを除去します。

ただし、ダウンタイムの長さ(数か月)や費用の負担が大きいため、他の治療で効果が得られない場合の選択肢のひとつです。

メスを使用しない方法もあるため、症状や希望に応じた治療法を、医師とよく相談しましょう。

まとめ

たるみ毛穴は、単なる毛穴トラブルではなく、肌の老化や構造変化に関わる複合的な現象です。

加齢や紫外線、乾燥、生活習慣などの影響が重なり合うことで発生し、目立ち始めるとセルフケアだけでは改善が難しいこともあります。

美容皮膚科でRFやレーザー治療など、医療的なアプローチを組み合わせることで、より根本的なたるみ毛穴改善も期待できます。

数年後の肌の印象が大きく変わる可能性があるため、早めのエイジング対策を意識しましょう。

みずき皮膚科クリニックは、一般皮膚科・美容皮膚科に対応しており、トータルな治療ができるように心がけております。

ボルニューマやジュベルックなどを導入し、患者様の症状や体質、目的に応じて適した治療をご提案いたします。

たるみ毛穴にお悩みの方、どのような治療があるのか知りたい方は、ぜひお気軽にみずき皮膚科クリニックへご相談ください。

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