粉瘤(ふんりゅう)とは

粉瘤とは、皮膚の下にできる良性の腫瘍のことです。
粉瘤ができると皮膚が半球状に盛り上がり、触れるとシコリのような感覚があります。毛穴(表皮)の下には、袋状の嚢胞(のうほう)ができており、そこに角質や皮脂が溜まっている状態です。
粉瘤は自然に回復することはなく、次第に大きくなっていくため、程度に応じて抗生剤の内服または外科的切除で治療します。
細菌感染の有無によって、粉瘤の治療法は異なります。

感染していない粉瘤の特徴

粉瘤ができた部分に痛みがなく、硬いシコリのようなものがある場合、細菌に感染の恐れがないと考えられます。
感染していない粉瘤は、外科手術ですぐに除去できます。

治療法

感染していない場合、局所麻酔をして粉瘤の中にあるシコリを摘出したあと、切開した部分を縫合します。
施術自体は30分程度で終了し、その日のうちに帰宅していただけます。
施術の翌日は、消毒のためにご来院が必要です。医師が施術箇所や大きさなどを確認し、必要に応じて他の病院を紹介するケースがあります。
施術当日は、飲酒、入浴、患部への化粧を避けてください。ただし、患部を濡らさなければ、シャワーは可能です。
後日、抜糸のためにご来院していただきます。なお、抜糸後の日常生活に制限はありません。
施術の傷痕は、粉瘤の大きさや部位によって異なりますが、半年〜1年程度で徐々に目立たなくなっていきます。

治療費

感染していない粉瘤の外科手術は、健康保険適用となります。
ただし、施術箇所や粉瘤の大きさによって費用は異なります。

感染している粉瘤の特徴

粉瘤が感染している場合、患部が赤く腫れて痛みを伴います。ぶよぶよと柔らかくなることもあり、粉瘤が破れると臭いを放ちます。
感染が確認された粉瘤は、すぐに除去することができません。

治療法

感染している粉瘤は、炎症の強さに応じて、抗生剤の内服または外科的切除で治療します。

抗生剤の内服での治療

粉瘤に軽い炎症が起こっている場合、抗生剤の内服で治療するのが一般的です。
内服薬の服用後、数日で炎症が治まる傾向にあります。
感染が落ち着いたあとは、感染していない粉瘤でも行う外科的切除でシコリを取り除きます。

切開排膿法での治療

粉瘤の炎症が強い場合、粉瘤の中にある膿を切開排膿法で取り除き、ガーゼを使ってきれいに消毒します。
施術から数日後、ガーゼの交換をして再び粉瘤の中をきれいに消毒するため、ご来院が必要です。
2〜4週間ほどでシコリが小さくなったあと、外科的切除を行います。

治療費

感染している粉瘤の治療は、処方する薬の種類や処置によって費用が異なります。
詳しくは医師にご確認ください。

皮膚腫瘍(ひふしゅよう)とは

皮膚腫瘍とは、皮膚や皮膚の下の組織(皮下組織)の細胞が増殖して、皮膚の表面が盛り上がったり、シコリができたりしている状態のことです。
皮膚腫瘍の状態やできた場所によって、脂肪腫や汗管腫などに分けられます。

脂肪腫(しぼうしゅ)の特徴

脂肪腫は、脂肪細胞の良性腫瘍にあたります。悪性腫瘍の場合、脂肪肉腫と呼ばれます。
脂肪腫は、皮下脂肪の一部が増殖してシコリができた状態であり、数年単位で少しずつ大きくなっていくのが特徴です。
大きさによっては、神経を圧迫するため痛みを伴うこともあります。

治療法

脂肪腫は自然に治らないため、外科手術で切開して腫瘍を取り除く必要があります。
施術は局所麻酔で痛みを抑えながら行います。所要時間は30分〜1時間ほどで、日帰り手術が可能です。
施術後の状態によっては、他の大きな病院を紹介するケースがあります。
施術当日は、飲酒、入浴、運動が制限されます。ただし、患部を濡らさない場合、シャワーなら可能です。数日後に抜歯を行い、そこから日常生活の制限がなくなります。
施術後の傷跡の大きさは、腫瘍の大きさや部位で異なります。3ヶ月から半年ほどでほとんど目立たなくなるのが一般的です。

治療費

脂肪腫の治療は、健康保険適用となります。
腫瘍の大きさや部位で費用が異なるため、医師までご確認ください。

汗管腫(かんかんしゅ)の特徴

汗管腫とは、汗を発生させるエクリン汗管の細胞が増殖してできる良性腫瘍のことです。
汗管腫は、目の周囲に白や褐色のブツブツした突起ができるのが特徴です。主に下まぶたに好発し、頬や胸、お腹、脇の下などまで広がる可能性もあります。
汗管腫の治療は炭酸ガスレーザーで行いますが、数年で再発する場合もあります。

治療法

汗管腫の治療では、患部に炭酸ガスレーザーを照射して腫瘍を除去します。
局所麻酔をするため、施術中に痛みを感じることはありません。
施術後、患部が少し腫れることがあります。また、少しずつかさぶたに剥がれ落ちてきます。お化粧は施術の翌日から可能です。
施術から一週間程度は、患部に軟膏を塗布していただきます。2週間後には経過観察を行うためにご来院が必要です。

リスク・副作用

炭酸ガスレーザーを用いた治療では、下記のリスク・副作用があります。

  • レーザー照射した場所に一時的にかさぶたができる
  • レーザー照射する場所によって赤みが生じることがある
  • レーザー照射する場所によって色素沈着を起こすことがある
  • レーザー照射した部分が凹み、傷跡が残る場合がある

当院では、患者さまにご安心していただけるよう、リスクに対して細心の注意を払い、熟練の技術をもった医師が施術を担当します。
アフターケアまで徹底してご対応いたします。

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