ボトックスをやめるとどうなる?やめられないって本当?肌に起こる変化や維持する方法

ボトックス注射は、しわ改善や小顔効果、多汗症対策などで人気の美容施術です。
その手軽さから利用する方が増えていますが、「やめるとどうなる?」「やめられないのでは?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ボトックス注射の効果や持続期間などの基礎知識、やめた場合に起こる変化、やめた方がよいケース、そして注射を中止した後のケア方法まで、気になるポイントを徹底解説します。
ボトックス注射を検討している方、やめることに不安を感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ボトックス注射の基本!効果や持続期間

ボトックス注射とは、ボツリヌス菌という細菌から抽出した毒素を生理食塩水で薄め、皮膚や筋肉へ注入する美容施術です。
ここではまず、ボトックス注射の基本的な知識を紹介します。
ボトックス注射の効果とは?
ボトックス注射は神経と筋肉の間で信号を伝える「アセチルコリン」の働きをブロックし、表情筋の動きを一時的に抑えることで、しわやエラ張りなどの改善を目指す施術です。
笑顔や眉間の動きによってできる表情じわや、咬筋の過剰な活動によるエラの張りなどが目立たなくなります。
他にも多汗症やふくらはぎの筋肉肥大、肩こりなどにも応用可能で、幅広い目的で使用されています。
比較的安全性が高いとされ、ダウンタイムも短いといわれているため、身近で手軽な美容施術として人気です。
ボトックス注射の持続期間
ボトックス注射の効果が現れるのは、施術後2〜3日後で、ピークは1〜2週間経った頃です。
一般的に、効果は3〜4ヶ月ほど継続するといわれていますが、代謝の働きや注入量、部位などによって個人差が出やすいため、人によっては6ヶ月程度持続することもあります。
ボトックス注射の適切な施術頻度
ボトックス注射の持続期間を考えると、効果が薄れてくる3〜6ヶ月ごとに再施術を受けるのがおすすめです。
具体的には、咬筋への施術でエラ張りを目立たなくしたい場合でも、3〜6ヶ月の頻度で継続的な注射を行うことで、筋肉の発達を抑制して小顔効果を維持しやすくなります。
ただし、患者さんの肌や筋肉の状態、反応、目的によって最適な頻度は異なる可能性があるため、医師とよく相談して施術頻度を決めましょう。
ボトックス注射をやめるとどうなる?1度始めたらやめられないの?

ボトックス注射を検討している方や、すでに長期間施術を受け続けている方の中には、「ボトックス注射は1度始めるとやめられない」「やめると老けてしまう」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ボトックス注射はやめられないのか、やめた肌や筋肉に起こる変化、心理的な不安について解説します。
ボトックス注射は1度始めたらやめられない?
ボトックス注射を始めると、「やめられないのでは?」と不安に感じる方もいますが、実はいつでも中止して構わないとされています。
ただし、注射をやめると効果が切れた後に、徐々に元の顔の状態に戻っていきます。
長期間注射を受けていた場合は、筋肉が萎縮しているため、回復には時間がかかり、すぐに元の状態に戻るわけではないことを理解しておきましょう。
ボトックス注射の継続に不安のある方は、施術を担当した医師とよく相談し、自分に合ったペースや表情筋トレーニング・スキンケアなどの代替手段も検討してみることをおすすめします。
ボトックス注射をやめた肌や筋肉に起こる変化
ボトックス注射は、神経から筋肉への命令をブロックして、表情筋を一時的に麻痺させることでしわを目立たなくする施術です。
注射を止めると、3〜6ヶ月程度で筋肉の動きが徐々に戻り、その結果『表情じわ』や『笑いじわ』が再び現れます。
とはいえ、長期間使用した場合は筋肉が元に戻るスピードはゆっくりで、すぐに施術前の状態に戻ってしまうことはありません。
また、しわやたるみが出てきたとしても、施術前より大きく悪化するとは限らないため、心配しすぎなくてもよいでしょう。
あくまでもボトックス注射を打っていない状態に戻るだけであることを、理解しておいてください。
心理的に不安になることもある
ボトックス注射は、表情筋の動きを抑えてしわやエラの張りなどを改善する施術ですが、その副次的な効果として、感情と表情のリンクが弱くなる、感情表現への反響、いわゆる『顔面フィードバック』が減るといわれています。
そのため、注射を止めると以前の自然な表情が戻る一方で、「顔と気持ちが一致しない」「感情が顔に反映されにくい」と感じる方もいるでしょう。
また、長期間ボトックス注射を受けていると、精神的に依存してしまい、整った顔に戻れないことへの不安や自己評価の低下が生じるケースもあります。
しかしその一方で、「自然な自分の顔に戻った」「やめられないと思っていたけれど、注射への執着から解放された」という安心感や自己肯定感の回復を感じる方も一部います。
このように、ボトックス注射をやめた場合の心理的な変化は個人差が大きいため、注射をやめる際には、心のケアや表情筋を意識したトレーニングを取り入れると、不安を軽減しやすくなるでしょう。
ボトックス注射をやめた方がよいケースとは?

ボトックス注射は、適切な施術を受けていれば、長期間継続してもさほど問題ありません。
しかし、施術を受ける本人がやめたいと思っていなくても、やめた方がよい場合もあります。
ここでは、ボトックス注射をやめた方がよいケースについて詳しく紹介します。
妊娠・授乳中
妊娠中や授乳中の安全性は確立されておらず、一般的に施術を行わないケースが多いです。
妊婦や赤ちゃんに安全かどうかの実験はほとんど行われていませんが、動物実験では赤ちゃんに悪影響が出た例もあるため、多くのクリニックで妊娠中・授乳中の投与は避けることが推奨されています。
赤ちゃんの健康を最優先するためにも、妊娠中や授乳中はボトックス注射を避けるのが安全です。
抗体が形成された場合
ボトックス注射は、1度に大量の注射をしたり適切な間隔をあけずに施術を受けたりすると、まれに抗体が形成されて薬剤の効力が低下し、しわ改善やエラ縮小効果が期待できなくなることがあります。
抗体ができることによって、注射しても期待する効果が現れない場合、施術にかかる費用やリスクが無意味になってしまう可能性もあります。
ボトックス注射の効果が急に弱くなった、効かなくなったと感じたら、医師に相談して抗体検査や薬剤の種類変更を検討するのもよいでしょう。
また、ヒアルロン酸注射やハイフ、ポテンツァなど別の治療法への切り替えを検討するのもひとつの方法です。
表情が不自然になった場合
ボトックス注射を同じ部位に頻繁に行っていると、筋肉の動きが過度に抑制されて、笑顔や眉の動きが乏しくなる可能性があります。
表情のバランス悪化は、心理的な違和感や自己評価の低下につながる原因になりかねません。自然な表情を維持できていないと感じた場合は、治療の中止を検討するのがよいでしょう。
また、表情の不自然さは周囲の人からの印象にも影響を及ぼし、「冷たく見える」「疲れて見える」といったネガティブな反応を受けることもあります。
対人関係や社会生活における自信喪失につながる恐れもあるため、早めに中止して筋肉の回復を待つ、表情トレーニングでリハビリをするなどの対策をするのがおすすめです。
加齢や肌状態により効果が十分に得られなくなった場合
年齢を重ねると、皮膚のたるみや皮膚の弾力低下、脂肪減少がしわの原因となります。
ボトックス注射は表情筋による「動的しわ」には効果的ですが、表情を作らない状態でできている深い「静的しわ」への効果に限界があるため、単体では改善しきれなくなることがあります。
このような場合も、ボトックス注射を1度中止して、ヒアルロン酸注射やリフトアップなど他の施術への切り替えを検討するのがよいでしょう。
長期間の使用で表情に違和感が出ている場合
長期間の注射により、表情筋が弱体化して筋力バランスが崩れると、表情に違和感が生じたり、逆に老けたような印象になったりすることがあります。
筋力が衰えてしまうと、注射を中止したとしても回復するまでに時間がかかり、自然に戻るまでの間、表情が硬く見えるかもしれませんが、まずはいったん中止して様子を見ながら顔の筋トレやケアを行いましょう。
また、長年ボトックス注射を継続していると、筋肉の使い方が偏ることで周囲の筋肉が過剰に働き、しわやたるみが別の場所に出現することもあります。
例えば、額のボトックスを繰り返し受けていると、眉間や目の周囲にしわが集中するといった具合です。
顔全体のバランスを保つためにも、医師とよく相談しながら、周期的に中止したり、施術部位の再検討をしたりなどの対策を行いましょう。
費用の負担が生活に影響している場合
ボトックス注射は、一般的に3〜6ヶ月ごとの定期的な施術が必要なため、長期にわたって継続するには費用がかかります。
経済的な負担が大きいと感じる場合は、他の美容治療やスキンケアに費用や時間を使った方が、美容面でも精神面でも健全な選択となるかもしれません。
また、ボトックス注射の継続にかかる『終わりのない出費』がストレスを生むこともあります。
もし効果とコストのバランスが取れていないと感じるようであれば、いったんボトックス注射を中止して、生活の優先順位を見直したり、医療ローンや分割払いの利用を検討したりするのもよいでしょう。
ボトックス注射をやめても肌の状態を維持するためにできること

ボトックス注射をやめても肌を若々しい状態に保つには、日頃のセルフケアが欠かせません。
ここでは、ボトックス注射をやめても肌の状態を維持するためにできることを紹介します。
保湿をしっかりと行う
ボトックス注射の効果が切れると、徐々に表情筋の動きが戻り、しわやたるみが再び目立つことがあります。
しかし、乾燥を防ぎ肌のバリア機能を整えるケアをしっかりと行えば、肌のハリ感が保たれやすくなるでしょう。
例えば、ヒアルロン酸やセラミドを含む化粧品には、水分を抱え込み肌にハリを与える効果が期待できます。
特に化粧品・美容液・クリームでの3ステップケアや、夜の集中保湿などがおすすめです。
日々の保湿で肌のうるおいを保つことで、ボトックス注射なしでも比較的若々しい印象を維持しやすくなります。
紫外線対策を徹底する
紫外線(特にUV–A波)、肌のコラーゲンやエラスチンを壊し、しわ・たるみ・色素沈着を促進します。
ボトックス注射をやめた後、肌が元に戻る過程で紫外線ダメージが加わってしまうと、老化が加速されてしまうため、日常生活での紫外線対策を徹底して行うことが重要です。
日焼け止めはSPF30・PA++以上のもの(UV-AとUV-Bの両方から保護するタイプ)を毎日肌に塗布し、帽子やサングラス、紫外線カット機能のついた長袖の上着など、複数の対策を組み合わせて行いましょう。
外出時や日差しの強い季節はもちろん、雨の日や室内でも紫外線対策は必須です。日焼け止めは外出前だけでなく、数時間おきに塗り直すことをおすすめします。
マッサージやエクササイズを継続する
ボトックス注射をやめると、抑制されていた表情筋が再び動き出すため、顔の血行促進や筋力維持を目的とした、軽いマッサージや顔のエクササイズを継続することが大切です。
例えば、以下のような動きを日常的に行うと、表情の柔軟さを取り戻すサポートになります。
- 口を大きく開けて発言する
- おでこを意識的に動かす
- 頬を膨らませる
- 舌を動かす
これらの動きは、顔の筋肉を刺激します。鏡を見ながら毎日継続して行うことで、顔全体の筋肉が均等に使われ、筋力バランスが整うとともに、自然な顔の動きを取り戻しやすくなるでしょう。
生活習慣を整える
ボトックス注射をやめた後に肌の状態を保つには、十分な睡眠とバランスのよい食事、タバコ・お酒を控えるなどの基本的な生活習慣の改善が重要です。
特にビタミンA ・C・E・B群などの栄養素は、肌のコラーゲン生成やダメージ修復に欠かせません。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、肌の再生を促すため、質のよい睡眠を確保することも肌の状態を保つのに有効です。
これらの生活習慣を整えることで、ボトックス注射を打たなくても内側から肌の健康を保ちやすくなります。
定期的に美容クリニックを受診する
ボトックス注射をやめた後も、定期的にクリニックを受診して肌のチェックや代替治療を受けることは、肌の状態維持に役立ちます。
医師による肌診断や必要に応じたヒアルロン酸注入、レーザー治療、リフトアップ施術などを組み合わせることで、ボトックス注射を行わなくても若々しい印象を維持できるでしょう。
定期的な診察を通じて、自分の肌の状態に合ったケアを受けることが大切です。
クリニックでは、患者さん一人ひとりの肌悩みに応じたアドバイスが受けられ、無理のない施術計画を立てられるため、ボトックス注射をやめた後も積極的に活用しましょう。
まとめ
ボトックス注射はやめても以前よりしわが増えることもなく、元の状態に戻るだけです。
「1度始めるとやめられないのでは?」と不安になる方もいるかもしれませんが、いつでもやめられるため、気軽に始められます。
また、妊娠中・授乳中・抗体ができた場合、表情が不自然になった場合などは、いったん中止することも選択肢となります。
ボトックス注射をやめた後は、紫外線対策や表情筋トレーニング、生活習慣などを意識することで、若々しい肌を維持しましょう。
『みずき皮膚科クリニック』では、日本皮膚科学会認定の女性皮膚科専門医が、患者様一人ひとりに適したしわ・たるみ治療を提案しています。
ボトックス注射についても、患者様のお悩みに合っているかを慎重に見極め、適切な注入量、頻度で施術を行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。