巻き爪とは
巻き爪とは、爪が巻き込むように湾曲して、皮膚に食い込んでいる状態のことです。
例えば、サイズの合わない靴を履いていたり、深爪したりすることで爪が圧迫され、爪側縁が内側に巻き込み、巻き爪となります。
巻き爪は、爪が内側に入り込んで痛みを伴う陥入爪(かんにゅうそう)の原因にもなります。
陥入爪(かんにゅうそう)とは
陥入爪(かんにゅうそう)とは、爪の両端が圧迫されて皮膚に爪が食い込み、痛みを伴う状態のことです。
陥入爪は、炎症や感染、肉芽形成が起こりやすいため、早めに治療することが大切です。
巻き爪と陥入爪は、何れもつま先に痛みが生じ、程度によっては歩行が困難になるケースがあります。
また、つま先の痛みをかばう姿勢を続けた結果、腰や膝関節に負担がかかり、腰痛や膝関節痛などの全身症状を引き起こすこともあります。
巻き爪・陥入爪の治療法
- 「足の爪が皮膚に当たって痛い」
- 「巻き爪が酷くて炎症を繰り返している」
- 「足の親指の形を整えたい」
このような悩みを持つ患者さまに対して、内服薬・外用薬、部分抜爪、ワイヤー法といった治療法が用意されています。
①内服薬・外用薬
炎症や痛みの症状が軽度の場合、抗生物質の内服や外用薬の外用、テーピングなどで治療を行います。
内服薬・外用薬での治療法に痛みは伴いませんが、長期的に行う必要があります。
費用については、処方される薬の種類によって異なります。
詳しくは、診察時に医師までご確認ください。
②部分抜爪
巻き爪・陥入爪による化膿が酷い場合は、爪と皮膚の接触をなくすために部分抜爪を行います。
具体的には、患部に局所麻酔を行い、食い込んでいる爪を取り除きます。
施術当日は患部を水で濡らすことを避けていただきます。部分抜爪した場合は、出血しやすいため、運動や飲酒もお控えください。
施術の翌日から経過観察の診察を行っていきます。
部分抜爪の費用については、健康保険適用となります。
③巻き爪のワイヤー法
当院では、形状記憶合金ワイヤーを用いた矯正療法を保険外診療で行っております。
足の巻き爪は、痛みや肉芽(出血しやすい皮膚の盛り上がり)の形成、傷からの感染の原因になります。
形状記憶合金ワイヤーは、真っ直ぐに戻ろうとする力を利用して巻き爪を矯正する治療法です。
形状記憶合金ワイヤーによる治療の流れ
- 爪の先端に2ヶ所ほど穴を空ける
- 形状記憶合金ワイヤーを挿入する
- 約1〜2か月を目安にワイヤーの交換を継続する(根本近くから巻いている場合)
なお、形状記憶合金ワイヤーでの治療による日常生活の制限はありません。
治療に関する注意点
巻き爪・陥入爪の治療を行う際、下記の注意点を把握しておきましょう。
- 足の親指のみが対象となります
- 爪が短すぎるとワイヤーを挿入できない可能性があるため、切らずに受診してください
- 水虫がある方は、水虫の治療を優先的に行なっていただきます
- 爪が薄い場合、治療中に割れる可能性があります
形状記憶合金ワイヤーが皮膚に食い込む、爪が割れる、ワイヤーが飛び出すなどの状態になった場合、すぐに受診してください。