【目のたるみ徹底対策】原因とセルフケア、美容医療による改善法を解説

鏡を見たりスマホで写真を撮ったりしたとき、つい気になるのが、目の『たるみ』や目の下にある『クマ』です。
目元は顔の印象を大きく左右するパーツであるため、たるみやクマがあると疲れた印象を与えやすく、実年齢より老けて見られる原因にもなります。
この記事では、目のたるみやクマの違いと原因、自力でできるケア方法と美容医療による改善方法を解説します。
目の下のたるみやクマは、それぞれ原因が異なるため、適切なケアが必要です。
たるみやクマの予防法、ケア方法をわかりやすく紹介するため、目元の印象をいつまでも若々しく保ちたい方はぜひ参考にしてください。
【目の下のたるみと目元のクマ】それぞれの違い

「目の下がなんだか暗く見える」「疲れているように見られることが増えた」と感じたなら、目の下のたるみや目元のクマが原因かもしれません。
目元の悩みとしてよく混同されるのが『たるみ』と『クマ』ですが、発生のメカニズムが異なります。
適切なケアのためには、まずご自身の症状を正しく見極めることが大切です。
目の下のたるみ
目の下のたるみとは、目元の筋肉(眼輪筋)がゆるんで、眼球の下にある眼窩(がんか)脂肪が前に押し出されて生じる、目元のふくらみやシワのことです。
目元のクマと混同されがちですが、クマは色素沈着や血行不良による色の問題であるのに対し、たるみは皮膚自体の形状変化を指します。
目元のクマ
目元のクマには、以下の3種類があります。
クマの種類 | 主な原因 | 見分け方の特徴 |
黒クマ(たるみ) | 皮膚の衰え 眼窩(がんか)脂肪の突出 | 上を向くと薄くなる 目の下にふくらみがある |
青クマ | 血行不良 睡眠不足 冷え | 皮膚を引っ張ると色が薄くなる |
茶クマ | 色素沈着(摩擦、紫外線) | 皮膚を引っ張っても色が薄くならない |
上記3つの中でも『黒クマ』は実はクマではなく、たるみによってできる影です。
加齢などにより目の下の脂肪(眼窩脂肪:がんかしぼう)が前に突き出し、脂肪のふくらみの下に影が落ちるため、目元が黒く見えてしまいます。
一方で、青クマは血行不良や睡眠不足、茶クマは紫外線や目を強くこする習慣による色素沈着が原因です。
たるみとクマは別物ですが、重なって見えると、より目立って疲れた印象を与えてしまいます。
原因が違えば対策も変わるため、それぞれの原因に応じたアプローチを行っていくのが重要です。
目の下にたるみができる原因

目の下のたるみは、ある日突然現れるわけではありません。
日々の生活習慣や年齢の変化によって、少しずつ進行していきます。
たるみの代表的な原因を、以下で詳しく解説します。
加齢による肌・筋肉の衰え
目の下のたるみは、年齢を重ねると誰にでも起こる自然な変化で、加齢とともに目元のシワやクマが目立ってきます。
とくに大きな原因が、皮膚のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンの減少です。
コラーゲンやエラスチンは、皮膚の真皮層にある繊維芽細胞で合成されています。
加齢とともに線維芽細胞の活性が低下してしまうため、結果としてコラーゲンやエラスチンの合成力も弱まってしまうのです。
コラーゲンやエラスチンの減少によって皮膚は弾力を失い、重力に逆らえずに垂れ下がってしまいます。
さらに、目の周りを覆っている「眼輪筋(がんりんきん)」という筋肉の衰えも大きく影響します。
眼輪筋は、眼球を支えるクッションの役割を持つ「眼窩脂肪(がんかしぼう)」が前に飛び出さないように支える働きがあります。
しかし、眼輪筋がゆるむと脂肪を支えきれなくなり、目の下がぽっこりとふくらんで、たるみとなるのです。
肌の土台そのものが加齢によって構造的な変化を起こしてしまうのが、たるみの大きな原因です。
目の酷使や摩擦などの生活習慣の影響
加齢だけでなく、日々の何気ない生活習慣もたるみを悪化させる要因となります。
とくに、スマートフォンやパソコンの長時間利用による目の酷使は、目元の筋肉疲労や血行不良を招き、たるみを助長しかねません。
画面を集中して見るとまばたきの回数が減り、眼輪筋がこり固まってしまうこともあります。
また、花粉症やアレルギーで目をこする癖や、アイメイクを落とす際の強い摩擦も危険です。
目元の皮膚は非常に薄くデリケートなため、物理的な刺激はコラーゲン繊維にダメージを与え、皮膚のたるみを早める原因となります。
目元にダメージを与えてしまう生活習慣は、気づかないうちに将来のたるみを作ってしまうのです。
目のたるみを予防するためにも、日頃から目をいたわるケアを行い、目を酷使しない生活習慣を心がけましょう。
紫外線対策を怠ることも、肌の弾力を奪う大きな要因のひとつです。
紫外線のUVA波は、肌の土台を支えるコラーゲンやエラスチンを破壊してしまいます。
紫外線にはUVA波とUVB波がありますが、それぞれ以下の特徴があります。
- UVA波…肌の真皮まで到達し、しわやたるみの原因になる
- UVB波…肌の表皮に到達し、日焼けや水ぶくれ、赤みの原因になる
さらに、UVA波は雲や窓を通過する特徴があるので、室内にいても注意が必要です。
生活習慣に気をつけるとともに、紫外線対策もしっかりと行う必要があります。
自宅でできる目元のたるみ・クマ対策

目元のたるみやクマは、美容医療による専門的な施術だけでなく、自力のケアでもある程度の予防が可能です。
毎日のちょっとした習慣を見直すことで、目元の印象は大きく変わります。
自宅でできる、目元のたるみ・クマ対策のセルフケアを以下でご紹介します。
保湿ケアと紫外線対策で目元のハリをキープ
目元のハリを保つ基本は、保湿ケアと紫外線対策です。
目元の皮膚は薄く乾燥しやすいため、専用のアイクリームや目元専用の美容液などで、しっかりと保湿してあげましょう。
レチノールやビタミンCなど、肌のハリをサポートする成分が配合された製品を選ぶと、より効果を実感しやすくなります。
塗る際は、皮膚への負担が少ない薬指を使い、目頭から目尻に向かって優しくなじませましょう。
また、紫外線は肌の弾力を支えるコラーゲンやエラスチンを破壊する要因です。
季節や天候を問わず、日中は日焼け止めやUVカット機能のあるメガネ、帽子などを活用し、紫外線から目元をしっかりと守る習慣をつけましょう。
十分な保湿と徹底した紫外線対策は、目元のたるみやクマを予防するうえで、非常に重要です。
眼輪筋を鍛える目元エクササイズ
眼輪筋の衰えは、目のたるみの直接的な原因のひとつです。
適度なエクササイズで眼輪筋を鍛えれば、目の下の脂肪を支える力がアップし、たるみの予防につながります。
ただし、強くやりすぎるとシワの原因になるため、やさしく行うことが大切です。
【簡単な眼輪筋トレーニング】
- 目をゆっくりと大きく見開く(眉毛が上がらないように意識)
- 1の状態を5秒間キープ
- 目をゆっくりと細めるように閉じ、5秒間キープ
- 1〜3の動作を1日数回、気づいた時に繰り返す
上記のエクササイズは、デスクワークの合間などにも手軽に行えます。
眼輪筋を意識しながら、リラックスして取り組んでみてください。
蒸しタオルとツボ押しで血行改善
目の下のクマやたるみが気になるとき、血行不良が隠れた原因となっているケースがあります。
とくに長時間のデスクワークや睡眠不足は、目元の血流を滞らせ、むくみや青クマを引き起こします。
蒸しタオルで目元を温めるケアは、手軽にできる血行促進法のひとつです。
蒸しタオルは、水で濡らしたタオルを軽く絞り電子レンジで30秒〜1分ほど温めるだけで簡単に作れます。
やけどに注意しながら適度な温度で目元に乗せ、5分ほどリラックスしましょう。
また、目元にあるツボ押しも効果的です。
目の周りにあるツボを、指の腹で気持ちいいと感じる程度の強さで優しく押してみてください。
以下は、目の周りのツボの一例です。
- 攅竹(さんちく):眉頭の少し下にある小さなくぼみ
- 太陽(たいよう):こめかみの少し下にあるくぼみ
- 睛明(せいめい):目頭と鼻のつけ根にあるくぼみ
上記3つのツボを適度に刺激すれば、眼精疲労を和らげる効果も期待できます。
目の周りの血行が良くなると、目元もすっきりとした印象になります。
デスクワークの合間やスマホを見すぎたときに実践して、習慣づけるように心がけましょう。
生活習慣の見直し
たるみ対策は、特別なケアだけでなく日々の生活習慣の積み重ねが非常に大切です。
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠(6〜8時間)
- 適度な運動
規則正しい生活習慣は、健やかな肌を保つための基本となります。
とくに、肌の材料となるタンパク質や、抗酸化作用のあるビタミンA・ビタミンC・ビタミンEを意識して摂りましょう。
また、スマートフォンを見る際は、定期的に休憩を挟んで遠くを見る、意識的にまばたきをするなどの工夫で目の負担を減らせます。
寝るときの姿勢でも、うつ伏せ寝は顔の片側に圧力がかかり、たるみやシワの原因になるため、注意が必要です。
できるだけ仰向けで寝るのを心がけるだけでも、将来のたるみ予防につながります。
美容医療で目の下のたるみを改善する方法

たるみ改善は、セルフケアで一定の効果は期待できるものの、限界があります。
自力で行うケアだけでは、すでにできてしまった目の下のたるみを完全に回復するのは難しいのが現実です。
すでに現れているたるみの改善を目指す場合、美容医療によるアプローチを検討される方も少なくありません。
美容医療はハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、近年はメスを使わない『切らない治療法』も増えています。
メスを使わない治療法は、顔への負担も少なく、たるみの状態やライフスタイルに合わせて、さまざまな方法を選べるのが大きなメリットです。
美容皮膚科で受けられる代表的な3つの治療方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
切らない治療法(レーザー・HIFUなど)
メスを使わずにたるみを改善したい、ダウンタイム(治療後の回復期間)を短くしたい、という方には、切らない治療法が向いています。
代表的な治療法は、以下のとおりです。
- レーザー、高周波(RF)
- HIFU(ハイフ:高密度焦点式超音波)
上記2つの治療法は、皮膚の深い層(真皮層)や、さらに奥の筋膜(SMAS)に熱エネルギーを加えてコラーゲンの生成をうながすことで、肌を引き締める効果が期待できます。
メリットは、施術後の腫れや赤みが少なく、日常生活への影響を抑えられる点です。
一方で、効果の現れ方や持続には個人差があり、満足のいく結果を得るためには複数回の施術が必要になる場合もあります。
皮膚のゆるみが主な原因である、軽度のたるみ向けの治療法です。
ヒアルロン酸など注入による治療
たるみによる目の下のくぼみや影が気になる場合には、ヒアルロン酸などの注入治療(フィラー治療)が効果的です。
注入治療の主な特徴は、以下のとおりです。
- たるみ自体の除去ではなく、くぼんだ部分にヒアルロン酸を注入
- 皮膚を内側から持ち上げて段差をなめらかにする
- 皮膚のくぼみをなくし影を目立たなくさせる
注射のみで行うため施術時間が短く、ダウンタイムもほとんどないのが大きなメリットです。
施術直後から変化を実感しやすいため、満足度も高い傾向にあります。
ただし、ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されていくため、効果を持続させるには定期的な再注入が必要です
持続期間は製剤の種類によりますが、6ヶ月〜1年程度が目安です 。(出典元:日本香粧品学会)
切開による手術で根本的に改善
たるみの原因である眼窩脂肪の突出が著しい場合、根本的な解決策となるのが切開をともなう外科手術です。
代表的な手術に「経結膜脱脂(けいけつまくだっし)」があります。
下まぶたの裏側(結膜)を小さく切開し、切開部から余分な脂肪を取り除く方法で、皮膚の表面に傷が残らないのが大きなメリットです。
皮膚のたるみも強い場合は、下まつげの際で皮膚を切開して、余分な脂肪をくぼんだ部分に移動させる方法(ハムラ法など)が適応となるケースもあります。
手術はたるみの原因を直接取り除くため、効果の持続性が高く、長期的な改善が期待できます。
ただし、他の治療に比べてダウンタイムが長く、費用も高くなる傾向があるため、慎重な検討が必要です。
まとめ
本記事では、目元のたるみの原因から自力でできるセルフケア、美容医療による専門的な治療法までを解説しました。
たるみの原因はさまざまであり、効果的な対策は一人ひとりの状態によって異なります。
まずは紫外線対策や保湿ケア、生活習慣の見直しといった、今日から始められるセルフケアで、目元のたるみの予防と悪化防止に努めましょう。
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