眉間のシワを消すには?原因と美容皮膚科での治療方法を解説

眉間のシワは顔の中心部で目立ちやすいうえ、「怒っている」「老けた」といったマイナスの印象を与えるため、お悩みの方も多いでしょう。
眉間のシワは、表情を作るときの筋肉の動きが原因で生じますが、皮膚の状態や加齢の影響により定着しやすくなります。
シワが浅いうちはセルフケアでも対処できる場合がありますが、深く定着してしまうと、医療的なアプローチが必要です。
今回は、眉間のシワができる仕組みやセルフケアでできる対策、美容皮膚科での治療方法を解説します。
眉間のシワとは?

眉間のシワは、表情を作る際に筋肉(表情筋)が動くことによって生じます。
目や眉間に力を入れたり、眉をひそめたりする際には、眉頭にある皺眉筋(すうびきん)が強く収縮します。
また、眉間の中央にある鼻根筋(びこんきん)や、眉頭から鼻の付け根に伸びる眉毛下制筋(びもうかせいきん)も動きます。
これらの筋肉の動きが繰り返されるうちに、皮膚に折り目のような癖がつき、定着したのが眉間のシワです。
眉間のシワには、以下の5種類の形状があり、筋肉の力の強さや力の入り方によって原因や対策が変わってきます。
- 1型:眉間の中央にできる1本のシワ
- 11型:眉間の両端にできるシワ
- オメガ型:Ωのような形状のシワ
- 横ジワ型:眉間から鼻の付け根にかけて現れる横シワ
- スクランチ型:眉間全体に細かく広がるシワ
皺眉筋の外側に力が入っている場合には1型や11型、皺眉筋の額にある前頭筋が連動している場合にはオメガ型が形成されやすいです。
また、鼻根筋と皺眉筋の内側に力が入っている場合には横ジワ型、均等に力が入っている場合にはスクランチ型のシワが形成される特徴があります。
眉間のシワができる3つの原因

筋肉の動きによって眉間にできた皮膚の折り目がシワとして定着するには、大きく3つの原因があります。
表情の癖
眉間のシワの大きな原因は、表情を作るときの筋肉の動かし方の癖です。
眉をひそめる癖がある方やものを見るときに目を細める癖があると、皺眉筋が大きく収縮し、皮膚に折り目がつきます。
折り目は筋肉の収縮が緩めば自然に消えますが、繰り返していると次第に折り目が残るようになり、シワとして定着してしまいます。
近年では、スマートフォンの長時間利用による目の疲れやストレスから眉間に力が入り、シワになるケースも増えてきました。
そのため、若い世代でも眉間のシワに悩む方がいます。
また、まぶたを開ける筋力が低下する眼瞼下垂(がんけんかすい)になると、目を開くために常に眉間やおでこに余分な力を入れるため、眉間にシワができやすくなります。
肌の弾力性の低下
加齢や紫外線の影響で肌の弾力性が低下することも、眉間のシワが定着する原因の一つです。
肌に十分な弾力性がある状態では、筋肉の動きによって一時的に皮膚に折り目ができてもシワにはなりません。
しかし、弾力性が低下すると、元に戻らずシワになるのです。
肌の弾力性は、真皮層の中にあるコラーゲンやエラスチンにより保たれています。
コラーゲンやエラスチンの量は25歳ごろをピークにその後減少する傾向にあるため、肌の弾力性は年齢を重ねるにつれ低下していきます。
結果的に、30代以降になると、シワが現れやすくなるのです。
また、紫外線(UVA)も肌の弾力性を低下させる要因です。UVAは真皮層まで届き、コラーゲンやエラスチンの分解や変性を起こします。
このダメージの蓄積は、光老化とも呼ばれています。
肌の乾燥
眉間は皮脂の分泌バランスが乱れやすく、乾燥しやすい部位です。
肌が乾燥すると、肌表面の角質層のキメが乱れ、細かなシワ(乾燥ジワ)ができやすくなります。
また、乾燥が肌のバリア機能を低下させ、弾力を失わせることもシワの原因です。
肌のバリア機能が低下すると、肌表面から水分が逃げ、紫外線や摩擦の刺激が肌の奥まで届きやすくなります。
コラーゲンやエラスチンの変性が起こり、弾力低下を招くため、シワが定着しやすくなります。
セルフケアでできる眉間のシワ対策4つ

眉間のシワは深く刻まれる前であれば、セルフケアである程度改善や予防が可能なケースもあります。
シワが気になる方・心配な方は、まず次の4つのセルフケアを試してみましょう。
癖の改善
眉間のシワは、眉をしかめたり目を細めたりする癖によって目立ち、定着しやすくなります。
日頃から眉間に力を入れないように意識して、癖を直しましょう。
見えづらいなど視力の問題や眼瞼下垂がある場合には、矯正や治療を行います。
目の疲れも眉間に力が入りやすいため、パソコンやスマートフォンの長時間使用は避け、使用中は適宜休憩を入れましょう。
また、心身が強いストレスにさらされている場合には、寝ている間に無意識に眉間に力が入っていることもあります。
リラックスを心がける、ストレス解消法を見つけるといった対処が有効です。
マッサージ
表情の癖によって顔の筋肉の柔軟性が失われると、元の状態に戻すことができず、シワが定着しやすくなります。
マッサージで緊張をほぐして柔軟性を高め、シワの定着を防ぎましょう。
縦に入る眉間のシワは、皺眉筋の緊張をほぐすマッサージが有効です。
人差し指と親指で皺眉筋をしっかりとつまみ、上下左右に軽く揺らし、軽く回す行為を、それぞれ10回程度行います。
眉頭から始めて1cmずつ外側にずらし、3ヵ所をマッサージしてください。
横ジワの原因となる鼻根筋の硬さには、鼻根筋のマッサージが有効です。鼻根金を押えたまま額の皮膚を引き上げ、左右に振る行為を1回行いましょう。
また、眉の中央にあるツボ「魚腰(ぎょよう)」と、眉の中央から1.5~2cm上にあるツボ「陽白(ようはく)」を刺激するのも有効です。
魚腰は、皺眉筋の柔軟性を高める働きがあるとされるツボで、眼精疲労にも効果があるとされています。上に向かってゆっくりと押し、ゆっくりと離します。
陽白は、小ジワや疲れ目に効果があるとされるツボです。円を描くように刺激しましょう。
スキンケアの見直し
肌の乾燥や弾力不足はシワをできやすくします。将来のシワを予防するためには、スキンケアを入念に行うことが大切です。
洗顔や入浴のあとは、できるだけ早く化粧水で十分に保湿を行いましょう。
また、保湿後は乳液やクリームで蓋をして、補った水分を閉じ込めます。
シワ対策に有効なレチノールやナイアシンアミド、ニールワンなどが配合された製品を使うのもおすすめです。
また、紫外線のダメージを受けないよう、外出時や日が当たる場所にいるときには季節を問わず日焼け止めを使いましょう。
SPFやPAは、生活シーンに合わせて選択します。日焼け止めは汗や皮脂で落ちるため、2~3時間ごとに塗り直すことが大切です。
生活習慣の見直し
シワ対策には、規則正しい生活とバランスの取れた食事を心がけることも大切です。
肌のターンオーバーが乱れると、乾燥やくすみの原因となり、シワが目立ちやすくなります。
睡眠はしっかりと取り、コラーゲンの生成に不可欠なビタミンCやビタミンE、タンパク質を積極的に摂りましょう。
アルコールはコラーゲンやエラスチンの代謝を抑制するため、飲み過ぎにも注意してください。
深い眉間のシワを取るには美容皮膚科クリニックでの治療がおすすめ

眉間のシワにお悩みなら、美容皮膚科での治療をおすすめします。
眉間のシワはセルフケアで予防や改善できる部分もありますが、限界があります。また、改善できたとしても一時的なもので、根本的な解決にはつながりません。
眉間のシワは年齢を重ねるにつれ、深く目立ちやすくなっていきます。
シワが深くなると、セルフケアでの対処は困難です。
早く確実に眉間のシワを改善したいなら、信頼できる美容皮膚科や美容外科で専門医の診察を受け、シワの状態に合った治療を受けることをおすすめします。
主な眉間のシワの治療方法と特徴

美容皮膚科では、ボトックスやヒアルロン酸などの注射や、HIFU(ハイフ)などによってシワを目立ちにくくする治療が可能です。
それぞれの治療の特徴や適応範囲、メリット・デメリットなどを解説します。
なお、シワや皮膚の状態によって、複数の治療方法が併用されることもあります。
ボトックス注射
ボトックス注射は、ボツリヌス菌が生成する毒素ボツリヌス・トキシンというタンパク質をシワが気になる部位に注入する治療です。
ボツリヌス・トキシンには、筋肉に作用する神経伝達物質アセチルコリンの分泌を抑制し、筋肉を一時的に麻痺させ、弛緩させる働きがあります。
この働きを利用して眉間のシワの原因である皺眉筋や鼻根筋の過剰な緊張を弱めることによってシワを寄りにくくします。
表情を作ったときに眉間にシワが寄る方に適した治療です。
治療の効果は数日から1週間程度で徐々に現れ、3~6ヵ月持続します。効果を維持するには、定期的な治療が必要です。
ボトックス注射はダウンタイムが少なく、手軽に行えることがメリットです。
シワの予防効果もあるため、シワ治療では第一選択とされることが多いですが、深く刻まれたシワの改善はできません。
また、薬剤の注入量が多すぎると効き過ぎて目元の筋肉が動かしにくくなることがあります。
薬剤の効果は永続的ではないため、時間の経過とともに収まります。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射は、真皮層にヒアルロン酸を直接注入することで皮膚を持ち上げ、シワを目立たなくする治療です。
すでにできた深いシワに適応で、無表情の状態でも眉間のシワが目立つ方に適します。
皮膚が物理的に持ち上がるため、目元が開きやすくなることもメリットです。
ヒアルロン酸は体内にある保水成分であり、時間の経過とともに徐々に吸収されてなくなります。治療効果の持続は、数ヵ月~2年程度で、繰り返しの治療が必要です。
ヒアルロン酸注射は即効性の高い治療ですが、粘性の高い物質のため、注射部位によって動脈塞栓のリスクがあります。
治療実績が豊富なクリニックを選択しましょう。
PN(ポリヌクレオチド)注射
PN(ポリヌクレオチド)注射は、真皮層の線維芽細胞にアプローチしてコラーゲン生成を促し、肌が本来持っている組織の再生力を活性化させる治療です。
肌全体のハリが高まることにより、加齢による皮膚表面の細かいシワの改善が期待できます。
また、肌質の改善や抗炎症効果も期待できるため、眉間のシワだけでなく、目の下のクマや顔の赤みが気になる方にもおすすめです。
PN注射は数週間程度で効果が現れ始めることが特徴ですが、ヒアルロン酸を配合し、即効性が得られる製剤も登場しています。
治療効果の継続は半年~1年程度です。
数回治療を繰り返すと、より高い効果が期待できるでしょう。
HIFU(ハイフ)
ハイフ(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound、高密度焦点式超音波治療法)は、肌に超音波を照射し、表皮・真皮・皮下組織・表情筋と連動するSMAS筋膜に熱エネルギーを与えます。
コラーゲンやエラスチンの生成を促進する治療です。
肌質の改善や引き締め、リフトアップ効果が得られます。治療効果は1~2ヵ月後から現れ始め、半年~1年程度持続します。
眉間のシワの治療において、ハイフは第一選択ではありませんが、皮膚の弾力低下による浅いシワの改善効果が期待できます。
また、照射のため痛みは少なく、ダウンタイムもほとんどないため、注射に抵抗がある方にも適した治療です。眉間のシワだけでなく顔全体のたるみやもたつき、肌のハリ低下が気になる方は、検討してみても良いでしょう。
まとめ
眉間のシワは、表情を作るときの筋肉の動きによって皮膚についた折り目が戻らなくなり、定着したものです。
シワが深くならないうちは、眉をひそめたり、目を細めてものを見たりといった表情の癖を改善したり、マッサージを行うなどのセルフケアで改善や予防もできます。
しかし、すでに深く刻まれたシワを消すには、美容皮膚科でのシワ治療が必要です。
静岡県富士市のみずき皮膚科クリニックでは、ボトックス注射やヒアルロン酸注射をはじめとした眉間のシワ治療を取り扱っています。
眉間のシワにお悩みなら、お気軽にご相談ください。皮膚科専門医が、シワの状態に合った最適な治療をご提案いたします。