ヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?メリット・デメリットを紹介

ヒアルロン酸注射の施術を受けて満足している人の中にも、ヒアルロン酸注射を打ち続けることで起こるトラブルを心配する人がいるでしょう。
結論から言うと、ヒアルロン酸を打ち続けることで健康に重大な悪影響が生じるリスクが高まるようなことは、現時点で報告されていません。
しかし、注射のたびに副作用の症状が現れる可能性やデメリットはあります。
この記事では、ヒアルロン酸注射の副作用、ヒアルロン酸注射を打ち続けることで起こるメリットとデメリットを紹介します。
定期的に打つことに迷いがある人、不安がある人はぜひ最後までお読みください。
ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸はコラーゲン・エラスチンと並ぶ三大美肌成分のうちの一つで、1gに約6Lの水を抱え込み、肌の保湿やクッションの役割を担っています。
ヒアルロン酸は、繊維質のコラーゲンと、それを束ねつなぎとめるエラスチンで構成される真皮の隙間をゼリーのように埋め尽くしています。
20代をピークに減少し始め、40代から急激に減少するため、ほうれい線やシワ・たるみが目立つようになります。
これらの肌悩みを、ヒアルロン酸を注入することで改善に導く美容施術が、ヒアルロン酸注射です。
ヒアルロン酸注射の効果

ヒアルロン酸注射の効果は、シワやたるみの改善、ボリュームアップ、保湿力向上などのアンチエイジング効果にとどまりません。
以下は、対応できる悩みの一例です。
- おでこの横ジワ・くぼみ
- 眉間のシワ
- こめかみのくぼみ
- 頬のコケ・くぼみ・たるみ
- 目の下のたるみ
- 涙袋形成
- 唇の縦ジワ解消
- 唇のボリュームアップ
- ほうれい線・ゴルゴライン・マリオネットライン
- 鼻を高くする
- 顎の梅干しジワ
- フェイスラインのたるみ
年齢肌はシワやたるみだけではなく、萎縮によるくぼみなども見られるようになるため、骨の形を変えるように見せる注入法もあります。
他にも、唇のボリュームアップや鼻を高くするなどのプチ整形や、先天性の左右非対称を修正するなど、ヒアルロン酸注射はさまざまな効果が期待できます。
ヒアルロン酸注射は打ち続けても大丈夫?

ヒアルロン酸注射を打ち続けることに問題があるかどうかを考えるには、体内に入れることやその後の経過を改めてよく知る必要があります。
ヒアルロン酸注射を打ち続けることについて紹介します。
もともと人体に存在する成分
ヒアルロン酸は、もともと人体に存在しているゼリー状の成分で、皮膚だけでなく骨や関節、血管や内臓、目の角膜など至る所に存在しています。
ヒアルロン酸は体内で生成・分解・吸収を繰り返す物質ですが、加齢により代謝が落ちるとヒアルロン酸の生成量は減少し、シワやたるみなどが生じます。
そこで、バイオテクノロジーによって生産されたヒアルロン酸製剤を注入し、体内に直接ヒアルロン酸を届けるのが、ヒアルロン酸注射です。
ヒアルロン酸注射は、厚生労働省が認可している製剤を使用し、適切な手技と衛生管理が行われている医療機関での施術がおすすめです。
分解され体内に吸収・排出される
体内で生成されたヒアルロン酸は一定期間を経て体内に吸収・体外へ排出されますが、ヒアルロン酸注射で注入されたヒアルロン酸も同様に吸収・排出されます。
しかし、体内で生成されたヒアルロン酸は数日から数週間で半分が吸収されるのに対し、ヒアルロン酸製剤は効果持続期間の約半年〜1年、長いもので2年程度は体内に残ります。
ヒアルロン酸製剤は、体内に存在するヒアルロン酸と同様の成分ですが、効果が長期間持続するのは、バイオテクノロジーで架橋処理などが施されているためです。
ヒアルロン酸注射で使用されるヒアルロン酸製剤は非動物由来であることが多く、感染リスクやアレルギー反応の可能性は比較的低いとされています。
また、もし注入されたヒアルロン酸製剤に何かトラブルがあった場合でも分解・吸収され、最終的には体外へ排出されます。
ヒアルロン酸注射のダウンタイムと副作用

ダウンタイムと副作用についてしっかりと理解しておくことは、ヒアルロン酸注射を打ち続ける場合においても大切なことです。
ここではヒアルロン酸注射のダウンタイムと副作用について紹介します。
ダウンタイムと副作用
ヒアルロン酸注射は切開をしないため、ダウンタイムは比較的短めです。
もともと体内にある成分を注入するため、アレルギー反応は起こりにくいですが、まれに発生する場合はあります。
傷跡は注射針の痕程度のため、ほとんど残りません。
しかし、以下のような副作用がみられる可能性があります。
- 内出血(1週間程度)
- 顔のむくみ・腫れ(1週間程度)
- 施術直後の痛み・違和感(数日程度)
定期的な施術を受ける度、副作用が同程度になるとは限らないため、この期間は患部を刺激せずに過ごし、症状を長引かせないように注意しましょう。
感染症の可能性
ヒアルロン酸注射の副作用の中に、まれですが感染症があります。
感染症が疑われる症状の一例は以下です。
- 発熱
- 腫れ・痛み
- しこり・化膿
- 変色(発赤・内出血)
施術後すぐに症状がみられるものや、数週間から数ヶ月経ってから症状が発生する遅発性の感染も報告されています。
遅発性は見逃しやすいため、治療が遅れる可能性もあるため注意が必要です。
治療としては、抗生物質の投与の他に、ヒアルロン酸の除去が行われます。
自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。
重篤な副作用の可能性
ヒアルロン酸注射には、重篤な副作用として『血管閉塞』の可能性もあります。
こちらもまれなケースですが、ヒアルロン酸が誤って血管内に入り込んでしまった場合に、血流が遮断されてしまう状態です。
血管閉塞は皮膚の壊死や失明など重大な合併症につながる場合があります。
注射部位の周辺が白くなったり、激しい痛みがあったりする場合、緊急の治療が必要であるため、医療機関への迅速な受診が必要です。
しこりが現れる可能性
ヒアルロン酸の注入後、しこりが現れることがあります。
『異物反応性肉芽腫』や『異物性肉芽腫』ともいい、ヒアルロン酸分解注射を行っても消えない場合があります。
特に健康上の問題を引き起こすことはまれですが、気になる場合は医師に相談し、摘出を検討しましょう
ヒアルロン酸注射を打ち続けた場合のデメリット

ヒアルロン酸注射を繰り返し打つことでデメリットを感じることがあります。
メリットの前に、まずデメリットを詳しく紹介します。
量によって注射部位に違和感がある
ヒアルロン酸は過剰な量を注入することで、筋肉を動かしづらくなることがあります。
施術の効果に満足するばかりに、ヒアルロン酸の注入量を増やしてしまうケースです。
通常であればボトックス注射のように表情筋に大きな影響を与えることはありませんが、注入量が過度になると筋肉の可動性を低下させて、自然な表情が作りにくくなります。
正しい施術を理解している医師であれば、多すぎる注入量の希望があったとしても、適切な量を提案します。
注入量を間違えるリスクを回避するためには、信頼できるクリニック・医師を選びましょう。
打っていない部位と差が出る
特定の部位ばかりに打ち続けていると、施術をしていない他の部位との差が生じてきます。
目元は施術して若々しいのに、ほうれい線が目立つようなケースです。
気になる部位を重点的に施術することで、他の部位とのバランスが崩れると、ちぐはぐな印象になったり、周囲に知られたりする可能性があります。
ヒアルロン酸注射を行いながら自然な美しさを保つためには、個々の特徴に合わせて治療計画が立てられる、バランスを整えるセンスのある医師が重要です。
副作用が起こるリスク
ヒアルロン酸注射を定期的に打つ場合、施術を受ける度に毎回ダウンタイムや副作用が同じように引き起こされると決まっているわけではありません。
疲れていて免疫力が落ちていたり、打ち慣れたせいで施術後を適切に過ごさなかったりすることで、いつもよりつらい副作用になる可能性はあります。
しかし、打ち慣れることで副作用が起こらなくなったり、逆に副作用が強くなるなど、打ち続けること自体が原因での副作用の心配はほぼないといえます。
繰り返し打った場合も1回だけ打った場合も副作用が起こるリスクはあるため、変わらず注意は必要です。
打ち慣れることで過剰になる
ヒアルロン酸注射に打ち慣れてしまうと、その変化に見慣れてしまい、過剰な注入を希望してしまう場合があります。
美容医療関係者や詳しい人、経験者などには過剰な注入を知られてしまうかもしれません。
また、一般的な美的感覚から外れてしまい、客観的な意見に否定的になって、自分では気付けなくなることもあります。
このような場合、患者さんの言いなりになって注入量を増やすのではなく、適切な判断とアドバイスができる医師に担当してもらうとよいでしょう。
ヒアルロン酸注射を打ち続けた場合のメリット

ヒアルロン酸注射には、定期的に打つと効果的であるという理由があります。
ヒアルロン酸注射を打ち続けた場合のメリットを紹介します。
効果が持続する
ヒアルロン酸注射は、個人差や科学的な根拠が限定的ではありますが、適切な量と頻度で定期的に打つと、効果持続期間が長くなる傾向があります。
ヒアルロン酸は、繰り返し注入し続けることで体内へ吸収するスピードが緩やかになり、その部位に残存するため、効果が持続すると考えられています。
継続的に体内に注入されると、周辺にコラーゲンが膜を作り、ヒアルロン酸の吸収を妨げると考えられているためです。
初回は効果持続期間が短いように感じるかもしれませんが、継続して施術するうちに、効果が長持ちしやすく感じます。
適切な注入量と頻度を医師と相談して決めましょう。
コラーゲンの増生が期待できる
臨床的なエビデンスは限定的ではありますが、ヒアルロン酸を注入することが刺激になり、コラーゲンが増生されるという研究報告がなされています。
これまではヒアルロン酸は、ハリと弾力を取り戻すための補充材として考えられていました。
しかし研究報告によると、ヒアルロン酸注入は線維芽細胞を刺激して活性化させコラーゲンを増やすという、肌再生の生体活性注入剤としての価値が高まっていくとしています。
シワを埋めるだけの素材ではないといわれ始めています。
変化が自然
ヒアルロン酸注入を定期的に打っていて、もし打つのをやめたくなった場合、注入をやめても急激にではなく、自然に変化します。
せっかく続けてきていても、何らかの原因でやめなければいけないケースもあるでしょう。
その際に、打つのをやめた瞬間ぱったりと元に戻ってしまうと、不自然な変化に対して周囲に心配をかける可能性もあります。
得ていたボリュームは自然に減っていくため、元に戻るのも自然に戻れます。
アンチエイジング効果がある
ヒアルロン酸注射で得られるアンチエイジング効果は、シワやたるみの改善・目の下のクマやほうれい線などのトラブルへの対応・保湿・バリア機能の向上です。
ヒアルロン酸注射は繰り返し受けることで持ちが良くなることは紹介しましたが、注射が1度きりならその時だけ若々しくなって、しばらくすると元に戻ります。
繰り返し打つことで、改善された状態を長期にわたってキープする効果が期待できます。
若々しさを維持しようとすることが、本来の『抗老化』=アンチエイジングといえるでしょう。
ヒアルロン酸注射を定期的に受ける場合の注意点

打ち続けることで特に健康に影響がないヒアルロン酸注射ですが、定期的に注入する場合は以下のことに気をつけましょう。
客観的な意見を大切にする
ヒアルロン酸注射を定期的に受ける際、周りの人や担当医師の意見を大切に聞く必要があります。
ヒアルロン酸注射を繰り返し打っていると、元の自分の顔を徐々に忘れていき、変化した自分の顔も見慣れてしまうため、美的感覚がズレるケースがあります。
新しい変化を求めるあまり、必要以上の量の製剤を望むようになり、それをそのまま実行してしまうと仕上がりが不自然になりかねないため注意が必要です。
目指す仕上がりを明確にするために医師や家族・友人など信頼している人に感想や意見を求めてみましょう。
質のよいヒアルロン酸製剤を使用する
ヒアルロン製剤には、改善したい部位に合った硬さや効果持続期間が異なるさまざまな種類があるため、用途を考慮して使い分けることが大切です。
シワ改善には肌になじみやすい柔らかめの製剤が適しており、輪郭形成には硬めの製剤が持続力があっておすすめです。
どこの部位にどの種類の製剤をどの程度注入するかの判断は、豊富な専門知識や経験が必要です。
満足ができる結果に導くには、材料も施術者も検討が必要です。
みずき皮膚科クリニックでは、アラガン社製のヒアルロン酸『ジュビダームビスタ』を取り扱っています。
柔らかさは5段階から選べ、使用目的や部位によって使い分けることが可能です。
まとめ
ヒアルロン酸注射で得られた効果も、定期的にメンテナンスしなければ徐々に元の状態に戻ります。
しかしヒアルロン酸注射は医療行為のため、病気でもないのに定期的に注射を打つことに抵抗や心配がある人もいるでしょう。
静岡県富士見市のみずき皮膚科クリニックでは、わかりやすい説明と丁寧な診療を心がけ、温もりのある診療を行いたいと思っています。
東京で培った経験と磨いてきた技術を生かし、皆さんが求めるアンチエイジングに尽力させて頂きます。
みずき皮膚科クリニックスタッフ一同、ご相談をお待ちしております。