ヒアルロン酸の効果とは?効く部位や副作用・注意点など詳しく紹介

ヒアルロン酸は、シワやたるみを改善するための注入治療に使用される成分です。
肌質改善が期待できるため人気のある注入治療ですが、検討している人は具体的な効果や改善できる悩み、副作用などを改めて確認したいと考えるでしょう。
この記事では、ヒアルロン酸の注入治療による効果や効く部位(悩み)、副作用や注意点について紹介します。
切らずにできるシワ・たるみ治療について、この機会に詳しく確認しましょう。
ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸は、もともと人体に存在する保水力が高い成分で、美肌の三大成分のうちの一つです。
三大成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンが存在するのは、肌のバリア機能を果たす表皮の下の真皮層です。
コラーゲンは肌の土台としてロープのように張り巡らされており、エラスチンはそのロープを束ねる役割を担っています。
エラスチンはゴムのように伸縮し、肌の弾力を保っています。
ヒアルロン酸が担っているのは、コラーゲンとエラスチンの隙間を、高い保水力を持ってゼリーのように埋める役目です。
ヒアルロン酸はその特徴から、乾燥を防ぎ、肌のハリやツヤ、弾力を維持するために欠かせない成分です。
ヒアルロン酸の効果を得る方法
ヒアルロン酸の効果を得る方法には、以下があります。
- 注入……注射(医療行為)
- 飲む……サプリメントやドリンク
- 塗る……スキンケア化粧品(「塗るヒアルロン酸注射」と呼ばれるものもある)
- 貼る……ニードルパッチ(パッチにヒアルロン酸でできた微細な針がついている)
ヒアルロン酸を内服した場合、腸で分解され吸収されるため、体内のヒアルロン酸を増やす材料にはなりますが、摂取したヒアルロン酸自体が直接届くわけではありません。
塗る場合、小ジワの予防や改善・肌のバリア機能の補助・乾燥予防に効果がありますが、角質層まで届かないため、深いシワやたるみなどに直接働きかけることはできません。
貼るヒアルロン酸は、ヒアルロン酸でできた微細な針を肌に貼るパッチで、物理的刺激による肌の代謝促進や、角質層へのヒアルロン酸浸透による保湿効果が期待できます。
浸透可能なのが角質層までのため、小ジワ対策には結果が出るかもしれませんが、深いシワの改善には及ばない可能性があります。
ヒアルロン酸注入の場合は、深いシワに作用する層に直接ヒアルロン酸を届けるため、即効性があり、他の方法よりも効果の持続時間が長いです。
方法を選ぶ理由や基準は人それぞれですが、シワ・たるみ対策を考えた場合は注入治療が希望に近い結果が出せるでしょう。
ヒアルロン酸注射の効果

ヒアルロン酸は保水力が非常に高く、1gで約6Lの水を保持できるとされています。
そのような成分を直接注入する施術である、ヒアルロン酸注射の効果について紹介します。
ヒアルロン酸注射が効果的な理由
三大美肌成分のうちの1つであるヒアルロン酸は、高い保水力が肌の潤いを保つため、正常なターンオーバーのためになくてはならない成分です。
重要な役割を担うヒアルロン酸は、40代になると体内から急速に減少し始めます。
コラーゲンやエラスチンも肌にとって必要な成分ですが、シワやたるみに悩んでいる場合、肌のハリや弾力を保つには、やはりヒアルロン酸が主力になります。
また、注射という方法を取ることで、目的の深さを狙って注入することが可能です。
骨上注入法 | 骨のすぐ上に乗せるように注入 骨の形が変わったような変化が出せる 最も硬いタイプのヒアルロン酸が検討される |
脂肪組織注入法 | 脂肪と骨の間にある靭帯を支えるように注入 脂肪組織を引き上げる 硬いヒアルロン酸を使用 |
皮下注入法 | 皮膚の下の浅い脂肪層や表情筋の上や下に注入 軽度の段差を改善する 中等度〜柔らかいヒアルロン酸を使用 部位によって硬さを変えるのがポイント |
皮膚注入法 | 皮膚内に注入 シワを改善 非常に柔らかいヒアルロン酸を使用 |
ヒアルロン酸注射に効果があるのは、必要な層に、目的に合った種類のヒアルロン酸を直接届けられるためです。
ヒアルロン酸注射の効果持続期間
ヒアルロン酸注射の効果持続期間は、施術を受けた人や注入したヒアルロン酸の種類、量などによって差があります。
一般的には4ヶ月〜1年、長くて2年程度です。
ヒアルロン酸は体内で生成・分解・吸収を繰り返す代謝回転の速い成分であり、注入したヒアルロン酸も同様に徐々に減少していきます。
そのため効果は永続的ではなく、使用したヒアルロン酸の硬さによって変わり、柔らかいほど効果期間は短く、硬いほど長くなる傾向があります。
ヒアルロン酸注射の効果を長持ちさせるためには
ヒアルロン酸注射の効果は、以下のようなことに気をつけると長持ちが期待できます。
- 施術を定期的に受ける……必要な量を必要な頻度で受ける
- 施術後に強く刺激しない……ヒアルロン酸が広がる・吸収が早まる可能性がある
- 使用部位に適した硬さのヒアルロン酸を選ぶ……柔らかすぎると効果期間が早まる
- 信頼できるクリニック(医師)を選ぶ……ヒアルロン酸注射は技術が必要
ヒアルロン酸注射は、注入量が多いほど持続期間が延びる可能性がありますが、過剰な注入は不自然な仕上がりや副作用のリスクが高まるため、医師の判断が重要です。
特に、施術のために正しい選択ができる経験と技術をもつ医師を選ぶことが、長持ちさせる他の要因にもつながるため、クリニック(医師)はじっくりと検討しましょう。
定期的な施術で効果が長持ちする理由
ヒアルロン酸は、繰り返し注入しているうちに体内への吸収スピードが緩やかになり、注入した部位に残存し、持ちがよくなる可能性があるという報告があります。
継続的に注入すると周辺にコラーゲンの膜ができ、吸収を妨げるためと考えられています。
初回は一般的な効果持続のため、思ったより短いと感じる人もいるかもしれませんが、継続していくと長持ちするようになる可能性があるため、定期的な施術が効果的です。
ヒアルロン酸注射の効果が期待できる悩み別部位

具体的にヒアルロン酸注射の効果が期待できる、悩み別の部位を紹介します。
加齢や乾燥によるシワ・たるみの悩み
加齢や乾燥によるシワやたるみが目立つ部位は以下の通りです。
- フェイスライン
- 目の周り・眉間・額
- ほうれい線
- ゴルゴライン
- マリオネットライン
シワは悩む部位に直接注入し、ボリュームを与えて内側から持ち上げることで、肌の表面がなめらかになります。
また、肌が水分を保ちハリや弾力が戻るため、たるみも目立たなくなります。
ほうれい線やゴルゴライン・マリオネットラインなどの悩みにも改善が期待できるうえ、しっとりした美肌も叶えるため、エイジングケアとして欠かせない施術です。
過労による萎縮
こめかみ・額・あごは、加齢による骨の萎縮によりくぼんだり凹んだりする傾向があります。
ヒアルロン酸注射を施術して改善することで、他の部分にも効果が期待できます。
例えば以下のようなケースがあります。
- こめかみに注入……フェイスラインがリフトアップ
- 額に注入……目が開けやすくなる
- あごに注入……首のたるみが改善
年齢による委縮は老けて見えるため、ヒアルロン酸の注入で若々しい印象に改善しましょう。
影が原因のクマ
筋力の衰えやたるみが生じることでできる影が原因で、目の下にクマが発生します。
加齢によって目の下の筋力が低下すると、目の周りの脂肪が前にせり出してふくらみ、影をつくります。
この影がクマとして目立つようになるのが『黒クマ』です。
また、目元の皮膚のハリや弾力が失われることでたるんでも、クマが生じます。
目の周りの皮膚はデリケートであるため柔らかめのヒアルロン酸を注入して、皮膚が持ち上がるとクマが目立たなくなります。
プチ整形
加齢などの悩みではなく、外見のコンプレックスや理想の形を求める『プチ整形』としてのヒアルロン酸注射もあります。
主に唇・鼻・涙袋などがあり、特に唇は加齢によって生じる縦ジワにも効果があるうえ好みの形にデザインできるためおすすめです。
左右の非対称で悩む場合の左右差も修正できるため、美しさや可愛らしさを追求するだけではなく悩みの解消にも効果があります。
ヒアルロン酸注射の注意点

シワやたるみの改善、外見の美しさに対するアプローチなどさまざまな効果が期待できるヒアルロン酸注射ですが、注意点もあります。
美容施術の注意点は共通でいえることもありますが、気をつけなければいけないヒアルロン酸注射独特の注意点もあるため、詳しく紹介します。
ダウンタイムと副作用
ヒアルロン酸注射は切開を伴わないため、ダウンタイムが比較的短く済みます。
もともと体内に存在する成分を注入するため、アレルギー反応は比較的起こりにくいとされていますが、まれに発生することがあります。
傷跡は注射針の痕程度で、ほとんど残りません。
しかし以下のような一般的な副作用の症状は見られます。
- 内出血……1週間程度
- 顔のむくみや腫れ……1週間程度
- 施術直後の違和感・疼痛……数日
施術後のメイクは可能ですが、注入した部位のメイクは24時間は控えてください。
気をつけたい副作用がある
ヒアルロン酸注射は、迅速な対応が必要な副作用を引き起こす場合があります。
施術後、適切なアフターケアを行われていなかったり、免疫力が低下していたりなど、何らかの原因で感染が発生する場合があります。
感染すると、注射した部位が赤く腫れて痛みを伴う・発熱する・しこり・化膿するなどの症状が生じるため、おかしいと思ったら速やかに医療機関を受診しましょう。
また、ヒアルロン酸が誤って血管内に注入されると、血流が遮断される『血管閉塞』という重篤な副作用が発生することがあります。
これは皮膚壊死や失明など重大な合併症につながるため、十分な注意が必要です。
注射部位の周辺が白くなる、激しい痛みなどの症状があり、緊急の治療が必要になるため、こちらも迅速な受診が必要です。
どちらもまれな症状ですが、自己判断せず速やかに医師に相談しましょう。
思ったような仕上がりにならないことがある
左右非対称になったり、表情が不自然になるなど、思ったような仕上がりにならないケースがあります。
人間の顔は誰でも左右対称ではないため、左右で同量を注入すると決まっているわけではありませんが、経験の浅い医師が判断を間違えるケースはあります。
また、もし多すぎる注入量の要望があったとしても、正しい施術を行っているクリニックであれば、適切な量のヒアルロン酸の注入を提案します。
しかし悲しいことに、信用できない営業を行っているクリニックもないわけではありません。
もし思ったような仕上がりにならなかった場合、左右のうちの足りない方に追加で注入したり、ヒアルロン酸溶解注射によって修正できる場合もあります。
気になる場合は担当医師に相談することになりますが、このようなトラブルを避けるためには、経験のあるクリニック(医師)に依頼することが重要です。
チンダル現象
チンダル現象とは、注入したヒアルロン酸に光があたることで透け、光が反射・散乱し、青白く見える現象です。
目の下やこめかみ付近など皮膚の薄い部位に特に起きやすいとされ、時間が経つと落ち着いたり、逆に数ヶ月経ってから気付いたりするケースもあります。
また、ヒアルロン酸の種類や施術後のケア不足、施術者の技術不足でも現象が起こる場合があります。
チンダル現象を予防するには、施術する部位ごとに適した粘度や粒子サイズのヒアルロン酸を選択すること、どの層に何ミリ注入するかを適切に見極めることなどが必要です。
他にも、注射針ではなく先の丸いカニューレを使用したり、施術後に刺激や圧迫を避けた適切なケアをすることで、チンダル現象のリスクを軽減できるとされています。
もしチンダル現象が現れてしまった場合は、自然吸収を待つか、注入したヒアルロン酸を溶解剤で溶かす・別の目立たない層に再注入するなど、方法はいくつかあります。
どの場合も、医師の判断が必要となるため、まずは相談しましょう。
ヒアルロン酸注射が推奨できない人
ヒアルロン酸注射は、以下のような人には適していません。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある・授乳中に人(安全性に関するデータの不足)
- 免疫抑制剤やステロイドを使用している人、自己免疫疾患のある人(免疫力低下)
- 抗凝固薬を使用している人(出血リスクが高い)
- 金属や麻酔薬、薬剤にアレルギーのある人(アレルギー反応の可能性がある)
安全性が高いことは知られていますが、以上に当てはまる人は別の方法を探りましょう。
施術後の過ごし方
施術後は、以下のような血流が良くなる行動は控えましょう。
- 長時間の入浴
- サウナ
- マッサージ・エステ
- 激しい運動
- 飲酒
副作用を悪化させると、感染症や血流障害につながる恐れがあります。
医師の指示に従って、術後を適切に過ごしましょう。
まとめ
ヒアルロン酸注射は、シワやたるみなど肌の凹凸の悩みを切開せずに改善できる美容施術として、さまざまな年代の人に利用されています。
自然に目立たず仕上げたい、ガラッと雰囲気を変えたいなど、人それぞれの希望を叶えるには、医師の技術やセンス、考え方にも影響を受けることを考慮しなければいけません。
静岡県富士見市のみずき皮膚科クリニックでは、女医と女性スタッフがお話を伺って、お客様のお悩みの改善策を一緒に考えます。
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