ヒアルロン酸注射の効果とは?効くしくみ・費用・副作用・注意点も紹介

ヒアルロン酸については美容施術に興味がなくても耳にしたことはあるでしょう。
ヒアルロン酸は注入治療をすることで、日頃感じる肌の悩みを解決してくれる、手軽な美容施術であり保水力が高い成分です。
この記事では、ヒアルロン酸注射の効果や効くしくみ、費用や副作用・注意点などを詳しく紹介します。
ヒアルロン酸の成分が気になっている人、注入治療に興味がある人はぜひ参考にしてください。
ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸注射は、シワやたるみなどの肌の悩みに効果が期待できる美容施術です。
しかし、さまざまな成分や製剤があるなかで、なぜヒアルロン酸注射がいいのでしょうか?
ここでは、ヒアルロン酸注射が効く理由や、効果持続・副作用・費用など治療に関する詳しい情報を紹介します。
ヒアルロン酸とは
ヒアルロン酸は肌の深層部である真皮に多く含まれる、人の体内にもともとある成分です。
肌の土台である細胞同士の間に水分を補い、隙間を満たすことで肌にハリや潤いを与えます。
また、血管や関節にも含まれる成分で、血管の老化を防いだり関節を滑らかに動かすなどの大切な役割を果たします。
美容と健康のためになくてはならない成分ですが、ピークの20代を過ぎると徐々に減少していき、40代に入ると減少が加速します。
特に女性にとって乾燥肌やほうれい線など肌状態が気になる他、動脈硬化や関節痛などの原因になるなど、健康面でもヒアルロン酸の不足は悩ましい問題です。
不足すると美容面でも健康面でもリスクが高まるため、直接注射して補おうというのがヒアルロン注射です。
ヒアルロン酸が効く理由
年齢とともに失われていく肌のハリや弾力には、ヒアルロン酸の保水力が必要です。
ヒアルロン酸を注入することでシワやたるみなどの肌悩みが改善する理由は、ヒアルロン酸の肌に対する役割にあります。
ヒアルロン酸は、コラーゲンやエラスチンと並ぶ三大美肌成分のうちの1つで、それぞれ以下のような役割があります。
- ヒアルロン酸……肌の水分を保持する役割。高い保水力で隙間を埋める
- コラーゲン……真皮内に張り巡らされているロープ。肌の土台
- エラスチン……コラーゲン(ロープ)をまとめて網の目のようにする結び目
エラスチンやコラーゲンも確かに大切ですが、これらが十分に生成されていても、ヒアルロン酸による保水力が不足している場合、ハリや弾力が十分には得られません。
シワやたるみを改善したい場合は保水力が必要であるため、ヒアルロン酸の注入治療が効果的です。
ヒアルロン酸注射の効果持続
ヒアルロン酸注射の効果持続は、施術を受けた人や注射する部位、ヒアルロン酸の種類などで異なります。
一般的には4ヶ月〜1年か、長くて2年程度で、永続的ではありません。
少しでも長持ちさせたい場合は、施術後のケアやダウンタイムの過ごし方などを医師の指示通り行い、定期的に施術を受けると効果的です。
ヒアルロン酸注射を繰り返し打つ有効性
ヒアルロン酸注射は、定期的に繰り返し打つことで効果持続期間が伸びるという報告もあります。
ヒアルロン酸は注入してしばらくすると体内になじみ、ゆっくりと時間をかけて分解・吸収されていくため、徐々に効果が薄れていくのが一般的です。
しかし定期的に繰り返し打つことで、コラーゲンが周辺に膜を作ってヒアルロン酸の分解・吸収を妨げると考えられています。
そのため、初回の施術後は半年〜1年という一般的な効果継続ですが、そのあと効果維持のために定期的に打つことで、効果が長持ちするようになることが期待できます
ヒアルロン酸注射の副作用とダウンタイム
ヒアルロン酸注射は切開をしないため肌への負担が少ないです。
また、もともと体内に存在する成分であるためアレルギーが出る可能性がゼロではありませんが、稀です。ダウンタイムは比較的短く済みます。
ダウンタイムは、注射のため小さな針穴くらいで傷跡も残らず、1〜2週間程度で落ち着きます。
一般的な副作用としては以下のような症状がみられます。
- 内出血……1週間程度で治まる一時的なもの
- 顔のむくみや腫れ……1週間程度
- 施術直後の違和感や疼痛……数日程度で落ち着く
ダウンタイムが短いとはいえ副作用はあるため、長引くことがないように医師の指示通りに過ごしましょう。
ヒアルロン酸注射の重篤な副作用
注入する箇所がずれるようなことがあって血管にヒアルロン酸が入り込んでしまった場合、血栓閉塞を引き起こすケースがあります。
特に起こりやすい部位は鼻や眉間・こめかみなどの施術のケースで、血管が細いうえに皮膚表面近くに密集しているためリスクが高まります。
施術直後から数時間以内に現れることが多く、医師の迅速な判断が重要です。
症状としては以下です。
- 急激な痛み・灼熱感
- 施術部位の蒼白化・変色
- 視力低下・失明
術前に血栓閉塞の説明をしっかり聞いておきましょう。
起こる確率は非常に低いですが、このような事態にならないよう、ヒアルロン酸治療の実績があり技術も確かなクリニックを選ぶことが大切です。
ヒアルロン酸注射の費用
ヒアルロン酸注射の費用は使用するヒアルロン酸の種類やクリニックの費用設定・使用する量・どの部位に打つかなどの条件によって大きな違いがあるため、明言は難しいです。
一例として、みずき皮膚科クリニックでのヒアルロン酸注射の費用を紹介します。
みずき皮膚科クリニックで取り扱っている製剤はアラガン社製の『ジュビダームビスタ』です。
ヒアルロン酸は体内では周囲の水分を吸収することで周りの組織となじんでいきますが、その過程で少しずつ吸収されてボリュームが減少していきます。
ジュビダームビスタは分子同士の密なつながりによって周囲の水分を吸収しづらいため、体内への吸収もしづらく、長期の効果持続が期待できます。
柔らかさを7段階から選べるため、使用目的や部位によって自由に使い分けが可能です。
このジュビダームビスタをみずき皮膚科クリニックでは1本(1cc)88,000円で提供しています。
部位別の必要量の一例は以下の通りです。
1本 | 1〜2本 | 1〜3本 | 1〜5本 | 2〜4本 |
目の下(クマ取り) 口上・口下涙袋眉間小鼻横 | ほうれい線 マリオネットライン 顎口唇 | ゴルゴライン | 額 | こめかみ頬 |
ヒアルロン酸注射の1本辺りの料金だけではなく、技術や方針など治療の質や相談しやすさなど、多方面から納得できるよう検討し、施術するクリニックを選びましょう。
ヒアルロン酸注射はどこに効くの?

年齢とともにあちこちに現れる肌悩みは、ヒアルロン酸を注入することで弾力を取り戻し、若々しい印象が期待できます。
ヒアルロン酸注射がどの部位のどのような悩みに効果的なのかを紹介します。
小ジワ
小ジワで気になるのは口周りや目の周りで、浅い線のシワが何本もあったり柔らかい部位の小じわには、柔らかい製剤を使用します。
最初は少し凸凹がありますが、柔らかく水っぽいためすぐになじんで滑らかになります。
ほうれい線
ほうれい線はシワとは少し異なり、頬と口周りの境界線となるところにあります。『鼻唇溝』とも呼ばれます。
加齢によって顔に現れるシワのなかでも気になる方が多い症状です。しかしほうれい線はシワというよりたるみです。
美肌成分の減少の他に、骨密度の低下や表情筋の緩みなど、さまざまな要因で生じるたるみのため、スキンケアなどではカバーしきれません。
ヒアルロン酸を注入し凹みを浅くすることで、ほうれい線は目立たなくなります。
目の下のクマ
加齢によって目の周りの脂肪が減ったり、筋力低下によって皮膚がたるんだりすることで影ができ、クマが目立つようになります。
黒クマ(影クマ)といい、ヒアルロン酸でボリュームを取り戻すことで改善できる可能性があります。
若い人でももともと持つ骨格の所為で黒クマが生じる人もいます。
ヒアルロン酸注射は、加齢や骨格など理由を問わず、目の下のクマに効果的です。
フェイスライン
年齢によるたるみが原因でのフェイスラインのぼやけが気になっている人は、固めのヒアルロン酸を注入すると顔の印象がシャープになります。
また、頬のこけが気になっている人も、皮膚の深い部分にヒアルロン酸を注入することで、肌を底上げして顔を立体的に仕上げます。
唇
唇は、近年のブームでボリュームアップしたい人や、加齢によって唇のハリが失われ縦ジワが目立つようになったことを悩む人などに、ヒアルロン酸注射が効果的です。
ヒアルロン酸は粒子が細かいため、アヒル口などの形成がしやすくおすすめです。
唇への注入は痛い場合があるため、麻酔を検討しましょう。
鼻
ヒアルロン酸注射を鼻に施術する場合、鼻筋を通したように見せたり高く見せたりすることができます。
鼻を高くすると目の距離が近づいて見えるため、顔全体が立体的に仕上がります。
鼻の整形は切開するケースもありますが、ヒアルロン酸注射なら切開に抵抗があっても行えるためおすすめです。
涙袋
目の下に涙袋を作ると目元が強調されて優しい雰囲気になることがあります。
目の下は皮膚が薄いため、使用するヒアルロン酸も柔らかいものを選択します。
しかし柔らかいヒアルロン酸は持ち上げる効果が弱いため、希望する通りの大きな涙袋にならなかったり、すぐになじんでなくなってしまったように感じるケースがあります。
また、あまり深い部分に注入すると内出血の原因となるため、量や深さの見極めが重要となります。
顎
加齢がすすむと顎のオトガイ筋の動きが過剰になり、顎に梅干しジワが目立つようになります。
ここにヒアルロン酸を注入すると、口周りが自然な表情になります。
また、オトガイや口角の下辺りにヒアルロン酸を注入すると、頬や首のたるみも改善できます。
額
額は加齢によって脂肪が減少することで凹んで見えてきます。
特に横から見るとのっぺりとした印象になるため、ヒアルロン酸を注入して丸くすることで立体的になります。
しかし額の横ジワはヒアルロン酸では改善が難しいため、ボトックス注射との併用がおすすめです。
また、額は注入時に痛みがあるため麻酔を行います。
こめかみ
こめかみは加齢によって凹んでくることがあるため、こめかみの骨上または皮下にヒアルロン酸を注入し、ふっくらさせます。
眉をあげたり顔のたるみを改善したりする効果もあります。
こめかみを指で引き上げると顔が引きあがるため、どのような効果になるのか分かりやすいでしょう。
マリオネットライン
マリオネットラインとは、口の両端から下に伸びるシワのことです。
この部分の注入方法にはさまざまな方法があるため、一概にどの方法が良いかどうかは明言できないところがあります。
マリオネットラインはただのしわとは違い、頬のたるみの他、口角下制筋という筋肉の過剰な働きによる二次的に発生するシワであることが多いです。
そのため、ヒアルロン酸だけの対応ではなく、ボトックスなどの併用を検討した方がいいでしょう。
ゴルゴライン
ゴルゴラインとは、目頭の下から頬にかけて斜めに伸びる溝またはくぼみのことです。
ほぼ全ての人に現れるほうれい線とは違い、頬の筋肉からの靭帯が皮膚を下に引っ張ることで皮膚にくぼみが生じ、現れるたるみジワです。
加齢が進むことで、筋肉や皮膚の緩みや脂肪の減少など、加齢なりの理由も加わってきます。
ゴルゴラインの中にはシミが併発していたり、強情な靭帯に引っ張られている子どもの頃からのくぼみであるケースなど、治療が難しくなるケースがあるため、厄介なシワです。
ヒアルロン酸注射の注意点

ヒアルロン酸注射の注意点を紹介します。
ヒアルロン酸注射を打てない人
以下の人はヒアルロン注射が打てません。
- 妊娠中・妊娠の可能性がある・授乳中……安全性が確立されていない
- ステロイド使用・自己免疫系の疾患にかかっている……免疫力が落ちている可能性があるため
- 抗凝固薬を使用している……血管閉塞のリスクを避けるため
- 金属・局所麻酔・薬剤にアレルギーがある
金属や麻酔・薬剤のアレルギーがある人は、ヒアルロン酸がもともと体内にある成分でありアレルギーを起こしにくいとしても、避けておいた方がいいでしょう。
カウンセリング時によく相談し、医師の判断に従って施術に臨みましょう。
術後の血行が良くなる行為は控える
ヒアルロン酸注射の副作用には腫れや痛み・内出血などがあるため、以下のような血行が良くなるようなことは避けて過ごしましょう。
- 飲酒
- 長風呂
- サウナ
- エステ
- マッサージ
- 激しい運動
施術後の過ごし方として、血行が良くなることは控えるよう指示があるでしょう。
ダウンタイムが長引くと、場合によっては感染症や血流障害につながってしまう恐れがあります。
医師の指示に従って、適切な術後を過ごしましょう。
症例写真を見極める
クリニックを探している際に、Webサイトで症例写真を見ることがあるでしょう。
施術前と施術後の写真を比較するようにして表示している場合、以下のことに気をつけて見てみましょう。
- 背景が違う
- 顔の向きや角度、表情が違う
- 画像の明るさが違う
- 施術後写真はメイクをしている
同じ条件下で撮影されていない場合は比較画像になりません。しっかり見比べながら検討しましょう。
まとめ
ヒアルロン注射は年齢肌の中でも、シワやたるみ・やせ・こけなど、肌の凹凸に関する悩みの改善をしたいとき、手軽にできる美容施術です。
効果が分かりやすく挑戦しやすいため、切開が不安・周囲に知られたくない・美容施術をしたことがない人などにも適しています。
静岡県富士見市のみずき皮膚科クリニックでは、美容施術を行うにあたり、分かりやすい説明と丁寧な診察を心がけ、温もりのある診療を行いたいと考えています。
女医と女性スタッフがお話を伺って、お客様のシワ・たるみなどのお悩みの改善を目指します。
どうぞお気軽にご相談ください。みずき皮膚科クリニックがお手伝いいたします。