ヒアルロン酸注射のメリット・デメリットは?リスクや注意したい部位を解説

加齢やライフスタイルの変化により、肌のハリや輪郭に変化を感じる方も少なくありません。そうした中、選択肢の一つとして検討されることがあるのがヒアルロン酸注射です。
クリニックで行われるヒアルロン酸注射は、比較的短時間で処置が終わることもあり、近年注目されているのが特徴です。
ただし、施術に伴うリスクや注意点も存在します。本記事では、ヒアルロン酸注射の一般的なメリット・デメリット、部位ごとの特性や注意したほうがよい点についてご紹介します。
ヒアルロン酸注射のメリット

ヒアルロン酸注射には、どのようなメリットがあるのか、気になる方は多いでしょう。
まずは、知っておきたいメリットから解説していきます。
ダウンタイムが短い
ヒアルロン酸注射は、ダウンタイムが比較的短い点が大きなメリットです。
施術後の腫れや赤みが少ない傾向にあり、日常生活に戻るまでの時間が短く済むことが多いため、忙しい方でも取り入れやすいとされています。
特に、メスを使った施術と比べると、身体への負担も少なく、仕事や予定を変更せずに済むのが魅力です。
実際、週末にヒアルロン酸注射を受けて、週明けには通常通り出勤している方も珍しくありません。
実際のダウンタイムの期間には個人差があるものの、数日から1週間程度で症状が落ち着くことが多いとされています。
ダウンタイムが気になる方にとって、比較的短期間で落ち着く傾向のあるヒアルロン酸注射は、検討しやすい選択肢ではないでしょうか。
即効性を期待できる
ヒアルロン酸注射のメリットとして、即効性を期待できることが挙げられます。
ヒアルロン酸注入直後から物理的にボリュームが加わるため、施術前と後での変化を早く感じる場合があります。
即効性が期待できる理由としては、ヒアルロン酸が水分を含む性質をもち、注入部位にふくらみを与えるからです。
ただ、効果の感じ方や定着の仕方には個人差があるため、医師とよく相談しながら、無理のない範囲で受けることが大切です。
皮膚を切らずに済む
ヒアルロン酸注射のメリットの一つが、皮膚を切らずに施術が行えることです。
注射による施術であるため、切開を伴う外科手術に比べて身体への負担が少ない傾向にあります。
「メスを入れるのは怖い」「大がかりな施術には抵抗がある」と感じている方でも、比較的検討しやすい方法なのではないでしょうか。
特に、施術後の傷跡が残りにくい施術を受けたいと考えている方から、ヒアルロン酸注射が注目されることがあります。
切らずに済む点を重視したい方には、ヒアルロン酸注射が適している場合があるでしょう。
溶解・分解が可能
ヒアルロン酸注射には、万が一の際に溶解できるといったメリットがあります。
注射後の仕上がりに違和感があった場合、医療機関で使用される専用の薬剤で、ヒアルロン酸を分解し、施術前の状態に近づけられる場合があります。
そのため、「術後に不満があってもやり直しできないのでは」という不安を軽減しやすいのが魅力です。
仮に、「左右差が気になる」「希望よりふくらみすぎた」といったケースでも、状況に応じた対応の選択肢があります。
とはいえ、すべてのケースで理想どおりに調整できるわけではありません。そのため、なるべく施術前に医師と仕上がりのイメージをしっかり共有しておくことが重要です。
ヒアルロン酸注射のデメリット

ヒアルロン酸注射には、知っておくべきデメリットも存在します。
施術を受けてから後悔することにならないよう、以下の点を把握しておきましょう。
効果は永久ではない
ヒアルロン酸注射のデメリットの一つは、効果が永久ではないという点です。
ヒアルロン酸は体内にもともと存在する成分のため、時間とともに徐々に体に吸収されていきます。
そのため、一度の施術で得られる変化は一定期間に限られており、効果を維持するには定期的な注入が必要になることがあります。
実際、注入部位や製剤の種類によっても持続期間は異なりますが、数か月から1年程度を目安に再施術を検討する方が多い傾向です。
初回だけで終わらせたいと考えている方にとっては、持続期間に限りがある点がマイナスに感じられる場合もあります。
担当医師の技術によって仕上がりに差がある
ヒアルロン酸注射は、医師の技術力によって仕上がりに差が出やすい施術です。
注入量や注入する深さ、部位の選定などはすべて医師の判断によって決められるため、同じ薬剤を使っても、担当者によって見た目の印象が変わることがあります。
特に、左右差が出やすい部位や、繊細なデザインが求められる箇所では、医師の経験やセンスが結果に影響しやすいものです。
「思ったよりふくらみすぎた」「違和感がある」と感じた場合、医師の技術力によるものかもしれません。
施術を受ける際は、実績のある医療機関を選び、症例写真やカウンセリング内容を確認しておくことが重要です。
内出血・腫れが生じることがある
ヒアルロン酸注射は、内出血や腫れが起こることがあります。
内出血や腫れが生じてしまう理由としては、医師の技術力だけではなく体質などが挙げられるため、確実に防ぐのは難しいのが現状です。
施術後の内出血や腫れは、数日から1週間程度で自然に落ち着くことが多いとされています。大切な予定の直前にヒアルロン酸注射を受けると、支障となる可能性もあるため、施術のタイミングには注意が必要です。
なお、内出血・腫れなどの程度は、体質や生活習慣で個人差があります。医師との事前相談で、リスクについてよく理解しておきましょう。
ヒアルロン酸注射を受け続けることで考えられるリスク

ヒアルロン酸注射を受け続けた場合、将来的にどのようなリスクが考えられるのか、気になる方は多いかもしれません。
仮に、継続的にヒアルロン酸注射を受け続けた場合、どのようなリスクが想定されるのかを解説します。
注入していない箇所との差を感じる場合がある
ヒアルロン酸注射を継続して受けることで、注入していない箇所とのバランスに違和感を覚える場合があります。
年齢とともに顔全体の皮膚や骨格は変化していくため、一部だけに注入を続けると、施術箇所だけが際立って見える可能性があるのです。
特に、額や頬などボリュームを加える部位は、他の部位とバランスが取れていないと、不自然に見えることがあります。
実際、頬にふくらみがあると若々しい印象を与えるものの、周囲の部位との段差が目立ってしまうと「頬だけが浮いて見える」と感じる可能性もあるでしょう。
部分的な施術を繰り返す際には、将来的な見た目の変化も見据え、医師にきちんと相談しておくことが重要です。
副作用が生じる可能性がある
ヒアルロン酸注射は比較的安全性が高いとして注目されることがありますが、繰り返し施術を受けると副作用のリスクが生じる可能性もあります。
注入時に起こりうるアレルギー反応や炎症、しこりのような反応が見られる場合もあります。
体質により免疫反応が強く出やすい方や、過去に異物反応を起こした経験がある方は、繰り返し施術を受けることについて注意が必要です。
もちろん、すべての人に副作用が起こるわけではありません。ただ、リスクがゼロではないことを理解したうえで、どのように施術を継続して受けるかを考える必要があります。
注入部位に違和感が生じる可能性がある
ヒアルロン酸を繰り返し注入していると、部位によっては違和感を覚えることがあります。
注入量が多かったり、施術の間隔が短かったりすると、皮膚の質感や動きに微妙な変化が出る場合があるのです。
ヒアルロン酸は体内に吸収される性質がありますが、完全に分解される前に再注入を重ねると、硬さが残る可能性もあります。
「笑ったときに不自然なふくらみが気になる」「押すと固く感じる」といった声が挙がることもあります。
医師の技術や注入する製剤の種類によってこうしたリスクは抑えられますが、継続して施術を受けると、その分リスクも増える可能性があるでしょう。
違和感に気づいた際には無理に施術を続けず、医師に相談しながら対応を考えていくことが重要です。
ヒアルロン酸注射を受ける際に注意したい部位

ヒアルロン酸注射はさまざまな部位に対応しているものの、施術を受けるにあたって、特に注意したい部位があります。
ここからは、ヒアルロン酸注射を検討している方へ向けて、注意したい部位やその理由を解説します。
涙袋
涙袋は、繊細な部位であるため、ヒアルロン酸注射を受ける際には注意が必要です。
涙袋のヒアルロン酸注射は、目元の印象を柔らかく見せたいときに検討されることがある部分です。
しかし、血管や神経が密集している部分でもあり、わずかな注入ミスでもふくらみすぎたり、不自然な凹凸が目立ったりするリスクがあります。
特に、皮膚が薄い方やむくみやすい体質の方では、注入後に「ふくらみすぎてクマのように見える」と感じる可能性もあるでしょう。
また、稀に注入した薬剤が青白く透けて見えるような状態(チンダル現象)に陥るケースも報告されています。
違和感のない仕上がりにするためにも、施術経験の豊富な医師に相談し、丁寧なカウンセリング・施術を受けることが重要です。
ほうれい線
ヒアルロン酸注射を受けるにあたって、注意したい部位として知っておきたいのがほうれい線です。
皮膚のたるみや筋肉の動きに伴って生じるほうれい線は、単純にボリュームを加えるだけでは改善が難しいケースもあり、構造的なアプローチが必要な場合があります。
むやみにヒアルロン酸を多く注入すると、ふくらみすぎてしまい「口元がもたついたように見える」「笑ったときに不自然」と感じる可能性があるのです。
長期にわたって繰り返し注入すると注入部位の質感が変わったり、左右差が生じたりするリスクもあります。
特に、加齢による表情の変化が進んでいる場合には、別の施術方法が適しているケースもあるため、医師による適切な見極めが重要です。
ほうれい線は、見た目の変化がわかりやすい部位であるため、自然な印象を保てるよう、バランスを重視した対応が求められます。
顎
顎はフェイスラインの印象に大きく関わる部位の一つです。輪郭に立体感を持たせる目的でヒアルロン酸の注入が選ばれることがあります。
しかし、顎は骨に近く、皮膚の厚さや筋肉の動きに個人差が大きいため、注入の位置や量を誤ると、不自然に突き出たような印象になることがあります。
特に、顎は横顔のバランスに影響しやすく、「出っ張りすぎてしまった」「口元とのバランスが崩れた」と感じる可能性もあるかもしれません。
注入量や注入する部位によっては、表情を動かしたときの違和感や硬さを感じることもあるため、細かく調整しながら施術する必要があります。
顎は、立体感のコントロールが難しい部位でもあるため、骨格や表情筋の動きを含めて知見・技術力のある医師に相談することが重要です。
鼻
鼻へのヒアルロン酸注射は、顔の中心部であることからわずかな変化でも印象に大きく影響するため、特に注意が必要な部位です。
鼻は、ヒアルロン酸を注入して、高さを出したり、ラインの調整を目指したりする部位として選ばれることがあります。
しかし、鼻の皮膚は、他のパーツと比べるとやや固めなのが特徴です。比較的柔らかなヒアルロン酸を使用すると、製剤が周囲へ流れることがあり、不自然に隆起したり、左右差が目立ったりする場合があるのです。
また、過剰にヒアルロン酸を注入するような施術を繰り返し受けると、鼻の形状が太く見えてしまうこともあります。
不自然な印象を与えないためにも、理想の仕上がりをきちんと医師と共有し、ナチュラルな表情を目指せる施術方針を選ぶことが重要です。
まとめ
今回は、ヒアルロン酸注射におけるメリット・デメリットや、施術を受ける際に注意したい部位などについて解説しました。
ヒアルロン酸注射は、比較的短時間で施術を受けられ、ダウンタイムも少ないことから、日常生活への影響を抑えつつ見た目の変化を実感しやすい選択肢の一つとして注目されています。
一方で、効果は永久ではなく、継続的なメンテナンスが必要になることや、注入部位によっては違和感や副作用が生じる可能性もあります。
また、仕上がりには医師の技術が大きく関わるため、信頼できる医療機関を選ぶことが非常に重要です。
みずき皮膚科クリニックでは、ヒアルロン酸注射を検討している方へ向けて、納得いただける施術を提供しています。
丁寧なカウンセリングを通して、希望の仕上がりや本人の体質、表情、などをしっかりと確認したうえで施術を行っているのが特徴です。
初めての方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。