シミ・そばかすとは
シミ・そばかすとは、メラニン色素がお肌に沈着してできる小さな斑点のことです。
お肌が紫外線を浴びてダメージを受けた場合、その部分を守ろうとしてメラニン色素を生成する特性があります。
メラニン色素は、肌表面に徐々に浮かび上がり、お肌のターンオーバーでやがて剥がれ落ちていきます。
しかし、加齢に伴い新陳代謝の働きが悪くなってくると、肌表面にメラニン色素が長期的に滞留するため、シミ・そばかすとなってしまうのです。
シミの種類は、色・形・場所によって様々です。誤ったケアによって悪化する可能性があるため、専門医による診断と適切な治療をおすすめいたします。
シミやそばかすの治療の多くは保険外診療ですが、膨らんだシミや痣(あざ)(太田母斑)、ADMなどの場合は保険適用となります。
色や形でわかるシミの種類
シミの種類は複数あり、それぞれ色や形、適切な治療法が異なります。
そばかす
そばかすとは、主に顔にできる数ミリ(1〜4mm程度)の茶色っぽい褐色斑のことです。
そばかすができる主な部位
- 頬
- 下眼瞼
- 鼻
- 肩
- 背中
- 手
- デコルテなど
そばかすは、紫外線によるダメージを受けて色が濃くなるのが特徴です。
特定の範囲で広がりやすく、遺伝的な要因でできる老人性色素斑と異なり、幼少期から発症する可能性があります。
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
老人性色素斑とは、加齢が要因となってできるシミのことです。
長期間にわたって、お肌が紫外線によるダメージを受け続けることで発生します。
老人性色素斑ができる主な部位
- 顔
- 手
- 腕
- 首など
上記のように、老人性色素斑は紫外線を浴びやすい部位によくできる傾向にあります。
紫外線を浴びたときにすぐにできるわけではなく、過去の紫外線ダメージがどんどん蓄積されて、やがてシミになります。シミの境目がはっきりしており、色合いは均一です。
若い頃から紫外線を浴び続けている方は、加齢に伴い、シミが突然多く現れることがあります。
老人性色素斑のレーザー治療は、自費診療となります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMとは、20歳を過ぎてからできる左右対称の顔面色素斑のことです。
痣(あざ)の一種であるADMの色は、青色や灰色、褐色など様々です。
シミやそばかす、肝斑と混在してできるケースが多く、状態によって判断しにくいことがあります。
ADMができる主な部位
- 頬骨
- こめかみ
- 下眼瞼内など
ADMは皮膚の深層部にできるため、皮膚の表面にできるシミよりも治療が難しいです。
当院での治療にはQスイッチレーザーが使用され、施術費用は保険適用となります。
太田母斑(おおたぼはん)
太田母斑とは、生後まもなく、または思春期頃にできる茶褐色や青色の痣(あざ)です。
特に、日本人を含んだ黄色人種の女性に多くみられ、目の周囲や頬などに発生します。
太田母斑ができる主な部位
- 顔の片側のおでこ(稀に両側)
- 目の周り
- 頬
- 上唇など
目の下にできたクマが、実は太田母斑であったというケースもあります。
皮膚の深層部にできるため、そばかすなどよりも治療が難しいです。
当院での治療にはQスイッチレーザーが使用され、施術費用は保険適応となります。
蒙古斑(もうこはん)
蒙古斑とは、生後1週間〜1ヶ月頃、お尻から背中にかけて発生する青色の痣(あざ)のことです。
蒙古斑は、胎生期の真皮メラノサイトの残存によって発生すると言われており、5〜6歳頃までに自然となくなる傾向にあります。
蒙古斑ができる主な部位
- お尻
- 背中
- 腰
上記の部位以外に極稀に発生するものを異所性蒙古斑と呼びます。
蒙古斑の色が濃い場合や、発生した範囲が広い場合、成人になっても残存する可能性があります。
なお、蒙古斑の治療は保険適応となります。
扁平母斑(へんぺいぼはん)
扁平母斑とは、境目がはっきりしている平らな茶色の痣(あざ)のことです。
その茶色い見た目から、カフェオレ斑とも呼ばれることもあります。
身体のあらゆる部位に発生する可能性があり、サイズは数ミリ〜数十センチまで様々です。なお、扁平母斑に悪性化はありません。
扁平母斑ができる主な部位
- 手のひら、足の裏以外
- 粘膜を除いたあらゆる部位
扁平母斑のほとんどは、生まれたときからすでに発生しており、思春期になってから現れるケースもあります。
扁平母斑の治療では試験照射を行い、レーザーの効果を判定した上で施術を検討します。
なお、扁平母斑のレーザー治療は保険が適応されます。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
脂漏性角化症とは、茶褐色で表皮がいぼのように膨らみ、ザラザラした触覚があるシミのことです。
手のひらと足の裏以外のあらゆる部位で発生する可能性があります。
脂漏性角化症ができる主な部位
- 顔面
- 頭部
- 前胸部
- 背中
- 手のひら、足の裏以外のあらゆる部位
脂漏性角化症のサイズは様々であり、放置し続けると次第に大きくなり、数もどんどん増えていきます。
なお、脂漏性角化症のレーザー治療は保険が適応されます。
当院でのシミのレーザー治療
当院では、下記のレーザー治療器を用いてシミやそばかすの治療を行なっております。
Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザーは、瞬間的に高出力の光を発するレーザー治療器です。
真皮(皮膚の深い部分)まで達する波長694nmのルビーレーザーで、メラニン色素に反応して細胞を破壊します。
数回レーザー照射を繰り返しながら、徐々にシミを薄くしていきます。
Qスイッチルビーレーザーは、正常組織に与える危険を抑えながら、患部をピンポイントで照射してシミを治療できるのが特徴です。
治療の対象となるシミ・症状
Qスイッチルビーレーザーは、下記のようなお肌の悩みにアプローチする治療法です。
- 老人性色素斑
- ADM
- 太田母斑
- 異所性蒙古斑
- 扁平母斑
医師が患部の状態を確認したうえで、適切な治療をご提案いたします。
副作用・リスク
Qスイッチルビーレーザーを使用したシミの治療では、下記のような副作用・リスクが考えられます。
- レーザー照射後から数日間、患部に赤みが見られることがある
- レーザー照射後から数日間、患部がヒリヒリすることがある
- レーザー照射後から数ヶ月間、一過性の炎症後色素沈着が起こる可能性あり
リンデロン軟膏を処方するため、患部の赤みやヒリヒリが回復するまでの数日間は1日2回朝・夜にご使用ください。
レーザー照射後、患部のメラニン色素が細かく分解し拡散され、色素が濃くなる状態が数ヶ月間続くこともあります。
一過性の炎症後色素沈着は、3〜6ヶ月くらいを目安として色が徐々に薄くなっていき、色が薄くなってきた際に再度施術が可能です。
治療期間には個人差がありますが、再度施術まで最短3ヶ月の期間を空けていただきます。
アフターケア
レーザー照射後、患部にリンデロン軟膏を塗布します。
強い炎症が起こった場合には、患部に保護テープを貼る必要があります。入浴後や洗顔後に保護テープを剥がしてください。
副作用である一過性の色素沈着を予防するために、内服薬(ビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸)、外用薬(APPS VC、HQ、RAC、リンデロン軟膏)などの処方にも対応しております。
CellecV(セレックV)
CellecVは、美容医療機器の最先端技術を世界に提供しているジェイシスメディカルジャパン社のキセノン光線治療機です。
CellecVの最大の特徴は、420〜700nmまで交換可能な9つのハンドピースフィルターです。患者さま一人ひとりのお肌の悩みに合わせて、光の波長を柔軟に変更できます。
シミ・そばかす・赤ら顔(毛細血管拡張症)などの様々な症状の治療に加えて、お肌のキメ・ハリを整えたい場合にも用いられます。
また、表皮を守る独自のクーリングテクノロジー「ATC™」がお肌へのダメージを軽減するため、常にやけどのリスクから守られるのもCellecVの魅力です。
治療の対象となるシミ・症状
CellecVは、下記のようなお肌のお悩みにアプローチする治療法です。
- シミ
- そばかす
- 色素沈着
- 赤ら顔(毛細血管拡張症)など
医師が患部の状態を確認したうえで、適切な治療をご提案いたします。
副作用・リスク
CellecVを使用したシミの治療では、下記のような副作用・リスクが考えられます。
- レーザー照射後から数日間、患部に赤みが見られることがある
- レーザー照射後から数日間、患部がヒリヒリすることがある
- レーザー照射後から数ヶ月間、一過性の炎症後色素沈着が起こる可能性あり
アフターケア
施術後はビタミンCパックでお肌のケアを行います。
なお、施術直後でも通常どおりメイクをしてお帰りいただけます。
施術後はお肌が敏感になっているため、数日間にわたって日焼け止めを塗って紫外線対策をしてください。
また、お肌が乾燥しやすくなるため、保湿もしっかり行いましょう。
シミ治療の前後で行うお肌の解析
当院でのシミ治療の前後には、VISIA Evolution(ビジアエボリューション)という顔の皮膚画像解析カウンセリングシステムを使い、患者さまのお肌の状態を確かめます。
VISIA Evolutionは、カラー写真とUV写真を撮影して、下記の状態を解析します。
解析対象
- シミ
- シワ
- 毛穴
- 色ムラ
- ポルフィリン
- 隠れジミ
- メラニンインデックス
- ヘモグロビンインデックス
VISIA Evolutionによる解析は、シミなどの症状を正確に評価して、正しいケアにつなげるために実施します。
シミのレーザー治療をご希望される患者さまへ
シミのレーザー治療は、シミの原因であるメラニンという色素を薄くするものであり、色素を完全に除去するための治療ではありません。
シミが元々あった部分は、メラニン色素が生成しやすいため、紫外線などが原因でシミの再発につながるケースもあります。
「残存している色素を薄くしたい」
「シミの再発を予防したい」
「レーザーによる炎症で色素沈着をさせたくない」
このようなお悩みのある方は、シミケアセットによる外用療法が必要です。
一般的に、レーザー照射から2〜3ヶ月後くらいに色素が一時的に濃くなるケースがあります。その際、シミケアセットの外用で色素を薄くすることが可能です。
詳しくは、事前のお問い合わせや施術前のヒアリングにて、医師・スタッフまでお気軽にご相談ください。
料金表はこちらからご確認ください。