シワ改善に効果的な方法とは?スキンケアから美容医療まで徹底解説

シワは老け見えの原因となるだけでなく、怒っているように見えることもあるため、改善したいという方は少なくありません。
化粧品を使用したスキンケアから美容医療まで、シワの種類や状態に合った方法を選ぶことが大切です。
この記事では、シワの改善が期待できる方法について、比較しながら解説します。
シワにお悩みの方、改善したいと考えている方は、ぜひご覧ください。
シワの種類と特徴

シワを改善するには、まずシワの種類と特徴を知ることが大切です。
肌は、表皮・真皮・皮下組織の3層からできています。
シワには、表皮に現れる浅いシワと、真皮層に達する深いシワがあり、小ジワ(ちりめんジワ)・表情ジワ・表情ジワ・真皮ジワの4種類がある点が特徴です。
それぞれのシワがどこにできるのか、シワができるメカニズムについて紹介します。
小ジワ(ちりめんジワ)
小ジワは、肌の表面に現れる細かいシワで、表皮性のシワに分類されます。
皮膚の薄い部分にできやすく、目尻や目の下、口元などに現れやすいことが特徴です。
細かなシワが集まっているように見えるため、ちりめんジワとも呼ばれています。
若い世代の方にもできることのあるシワです。
小ジワは表皮のシワのため、比較的改善しやすいとされています。
しかし、適切な対処を行わないでいると、シワ同士がつながり、深いしわに進行するおそれがあります。
表情ジワ
表情ジワは、笑ったり目を細めたりといった、表情の動きにともなって現れるシワです。
表情を作るときの筋肉の動きによって皮膚がつられて動き、折り目がつくことによって生じます。
顔をしかめる動きをするおでこや眉間、笑ったときに動く目尻など、感情を表す部位にできやすいことが特徴です。
皮膚に弾力性のある間は、表情の変化によって折り目がついても一時的な症状で、すぐに消えます。
しかし、さまざまな理由で肌の弾力が失われていくと元に戻らなくなり、真皮に到達する深いシワへと移行していきます。
真皮ジワ
真皮ジワは、表情ジワが深くなってV字型に陥没した深いシワです。
小ジワに対して大ジワと呼ばれることがあります。
目の下やおでこなどに現れ、目立つことも多いです。
真皮ジワは、真皮層で肌の弾力を保っているコラーゲンやエラスチンの減少によって生じます。
保湿をしても改善されないことが特徴で、加齢との関連性が高く、40代以上の方に多く見られます。
たるみジワ
たるみジワは、ハリを失った皮膚が重力に負けて垂れ下がってくることによって生じるシワです。
主に加齢によるコラーゲンやエラスチンの減少が原因でできるシワで、目の下や首、頬などによく現れます。
たるみジワを改善するには、シワとたるみの両方に対応する必要があります。
シワの原因

シワは、一般的に単一の原因ではなく、複数の要因が関与しています。主なシワの原因は、次の3つです。
加齢
加齢はシワの大きな原因です。
真皮に存在する、皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンは、20代をピークに減少していきます。
そのため、年齢を重ねるにつれ肌の弾力性が失われ、シワができます。
また、加齢とともに皮膚の菲薄化(薄くなること)が起こります。
特に表皮が薄くなると、バリア機能が低下して乾燥が進みやすくなり、小ジワができやすくなります。
ターンオーバー(肌の新陳代謝)の周期も加齢により低下します。
20代では28日で生まれ変わっていた皮膚も、年齢を重ねると40日、50日とサイクルが遅くなっていきます。
ターンオーバーが遅くなると、それだけ古いコラーゲンと新しいコラーゲンの入れ替わりも遅くなり、肌の弾力が失われやすくなるのです。
紫外線
紫外線は、肌の老化に密接に関わっています。
地表に降り注ぐ紫外線のうち、約95%を占めるUVAは、肌の真皮層まで届きコラーゲンやエラスチンを変性させます。
肌本来の弾力が失われ、真皮ジワやたるみの原因となります。
また、UVBは肌の表面で炎症を引き起こし、ターンオーバーのサイクルを乱します。
そうなると乾燥が進みやすくなり、外部刺激に弱くなることで、シワのリスクが高まります。
紫外線のダメージを防ぐには、日常的な日焼け止めの使用が有効です。
帽子やサングラス、日傘などと併用し、対策を万全に行いましょう。
乾燥
角質層に十分なうるおいがなく乾燥していると、角質層の柔軟性が低下し、小ジワができやすくなります。
また、乾燥状態が続くと、肌のバリア機能の低下を招きます。
紫外線や摩擦によるダメージが真皮層に届きやすくなり、コラーゲンやエラスチンを変性・減少させ、深いシワへ進行します。
シワの改善・予防方法

できてしまったシワを改善する方法は、化粧品によるスキンケアと、美容皮膚科での治療の2つです。
化粧品によるスキンケア
シワは肌の乾燥や弾力の低下によって定着していくため、早い段階で適切なスキンケアを行えば、改善や予防を図れる可能性があります。
スキンケアの基本である保湿は、浅いシワの改善が期待できます。
また、ターンオーバーの正常化にも保湿は欠かせません。
乾燥しやすい部分はクリームを活用して保湿をしっかりと行ったうえで、医薬部外品として抗シワの有効成分が配合された製品を利用すると良いでしょう。
シワ改善効果が認められている医薬部外品の成分には、以下が挙げられます。
- レチノール:ヒアルロン酸、コラーゲンの産生促進
- ナイアシンアミド:バリア機能修復、コラーゲン合成の促進
- ニールワン:コラーゲンを分解する好中球エラスターゼを抑制
- ライスパワーNo.11+:肌の水分保持、コラーゲンの産生・分解抑制
化粧品によるスキンケアは、自宅で手軽に行えることがメリットです。
ただし、即効性は期待できず、効果を実感できるまでには時間がかかります。
また、真皮層までのアプローチが可能な成分でも効果には限界があり、深く刻まれたシワは改善が難しいケースがあります。
美容皮膚科での治療
美容皮膚科では、化粧品では難しい深いシワを改善できます。
また、化粧品によるスキンケアに比べ、効果がはっきりとわかりやすいケースがあります。
治療内容によっては、治療直後から改善効果が得られる可能性も。
費用は化粧品に比べると高額になる傾向ですが、効果が持続するメリットは大きいでしょう。
ただし、美容皮膚科でシワを治療すれば、スキンケアは不要というわけではありません。
新たなシワを予防するためには、シワ改善に向けたスキンケアを続ける必要があります。
スキンケアと美容皮膚科での治療を併用することで、より高い改善効果を期待できるでしょう。
美容皮膚科におけるシワの治療の種類と特徴

美容皮膚科では、症状や部位に応じてさまざまなシワ治療を提供しています。
シワの種類や場所によって、適した治療は異なります。
自分に合った治療を受けられるように、どのような治療で気になるシワを効果的に改善できるのか、概要を理解しておきましょう。
ボトックス注射
ボトックス注射は、ボツリヌス菌が生成する毒素ボツリヌス・トキシンを注入することにより表情筋の緊張を抑え、シワを寄りにくくする治療です。
おでこや眉間にできる表情ジワに適する治療で、将来のシワ予防効果も期待できます。
治療時間は10分程度で、効果は2~3日後から現れ始めます。
持続期間は3~6ヵ月程度で、徐々に効果が薄れていく点が特徴です。
数あるシワ治療のなかでも、ボトックス注射は適応する部位も多く受けやすい治療ですが、表情を作らないときにも消えない深いシワを消すことはできません。
深いシワを改善するためには、ほかの治療を組み合わせることが一般的です。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射は、シワの溝部分にヒアルロン酸を注入することによって皮膚のボリュームを増やし、シワを改善する治療です。
さまざまな部位のシワに対応でき、表情を作っていないときに現れるシワへの効果が期待できます。
製剤の種類も豊富で、動きの多い目元や口元には柔らかい、おでこでは弾力のある製剤など、部位によって使い分けられています。
ヒアルロン酸注射は即効性が期待でき、治療後すぐに改善効果を感じる方もいます。
薬剤は体内で自然に吸収されるため、効果は数ヵ月~2年程度で、繰り返しの治療が必要になります。
スキンブースター治療
スキンブースター治療は、ポリ乳酸(PDLLA)やポリヌクレオチド(PN)などの薬剤を注入することにより、体内でのコラーゲン産生をうながす治療です。
シワの根本的な改善を目指せることに加え、ダウンタイムが少なく、肌質の改善や毛穴の縮小などの効果も得られることから人気があります。
治療効果は1週間~1ヵ月程度で現れ始めますが、ヒアルロン酸を加えた製剤なら即効性があります。
初回は3回の治療を行い、その後は定期的にメンテナンスとして治療を追加すると効果的です。
高周波(RF)照射
高周波(RF)照射は、肌を引き締める効果があり、たるみが原因のシワに有効な治療です。
エネルギーを照射する治療のため、針を刺す治療に抵抗がある方にも適しています。
RF(高周波)照射は、熱エネルギーを脂肪層まで照射し、コラーゲンの生成をうながす治療です。
肌全体を引き締め、ハリと弾力をアップさせることにより、小ジワやたるみの改善、フェイスラインの引き締め効果などが期待できます。
ショッピングスレッド
ショッピングスレッドは、髪の毛よりも細い溶ける糸を皮下に挿入し、コラーゲン産生をうながす治療です。
ハリや弾力のアップが期待でき、たるみや小ジワが気になる方に適しています。
従来の糸リフトよりも腫れや内出血が少なく、ダウンタイムも1週間ほどと短いため、治療の負担が軽減されていることが特徴です。
治療効果は1ヵ月ほどで実感できる方が多いです。
挿入した糸は1年ほどで吸収されますが、コラーゲンの増加によりリフトアップ効果の継続が期待できます。
シワ改善には生活習慣の見直しも大切

ここまでは、シワに直接アプローチする改善方法について紹介してきました。
シワは、加齢や紫外線、乾燥によって生じますが、そのほかにもさまざまな生活習慣が背景となってシワができやすくなることがあります。
シワ改善のために、生活習慣を見直してみましょう。
睡眠をしっかり取る
睡眠中は、成長ホルモンや睡眠ホルモンが分泌され、肌の修復やコラーゲンの生成が行われます。
睡眠不足の状態では、その機会を失ってしまいます。
さらに、ターンオーバーのサイクルが乱れるため、肌が乾燥しやすくなり、シワができやすくなります。
睡眠は7時間以上を心がけ、質の良い睡眠を目指しましょう。
バランスの良い食事を摂る
偏った食事は、コラーゲンの材料となるタンパク質やビタミンC、鉄分の不足を招きます。
シワを改善するためには、ジャンクフードは避け、バランスの良い食事を摂りましょう。
また、肌の老化を防ぐためには、腸内環境を良好に保つことも大切です。
食物繊維や発酵食品も積極的に摂取しましょう。
飲酒・喫煙はできるだけ避ける
飲酒と喫煙は、肌の老化を進める要因です。
アルコールは少量なら血行促進効果がありますが、コラーゲンやエラスチンの分解を促進したり、肌の乾燥を招いたりすることが知られています。
喫煙は、コラーゲンの生成に必要なビタミンCを破壊します。
さらに、血管収縮によるコラーゲン生成の低下や、活性酸素によるコラーゲンやエラスチンの分解が起こります。
シワを改善したい方は、どちらもできるだけ避けましょう。
まとめ
できてしまったシワの改善には、シワ改善化粧品によるスキンケアと、美容皮膚科での治療の2つの方法があります。
スキンケアは自宅で手軽に取り組めますが、効果は限定され、改善までの時間もかかります。
美容皮膚科での治療と合わせて、改善に取り組むことがおすすめです。
静岡県富士市のみずき皮膚科クリニックでは、ボトックス注射やヒアルロン酸注射をはじめ、さまざまなシワ治療を取り扱っています。
皮膚科専門医が、シワの種類や状態に合った治療を提案いたします。
シワにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。